看護実習で学生の主体性を促すための最初のかかわり
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
ニュージーランドのナースの友人に、私の仕事の説明をすると、まーだいたい「意味がわからない」みたいな、変な顔をされます。
変な顔の意味は、こうです。
「学生でありながら、自分の所属する学校の先生に相談ができないって、先生も学生も、そのコミュニケーション能力でナースが務まるのか?」
学生個人のコミュニケーション能力が関係しているかもしれないですし、相談できない雰囲気を出す教員側に改善点があるかもしれないですし、
一概に、どちらが良くて、どちらが悪いという話ではありません。
ただ、ひとつえるのは、指導する側と、学ぶ側の関係の良さは、学びの質に比例します。
認めてもらえる →やる気が増す →ますます、がんばる →さらに成果が出る →認めてもらえる →自信がつく
この繰り返しによって、ガミガミ言わなくとも、お尻をたたかなくとも、自分の意思で勉強するようになっていきます。
ということは、主体的に、自分の意思で勉強できるようになってほしい、そう望むのなら、いちばん最初にやらないといけないことは、これです。
存在そのものを認めること。
できたことを褒めるのではありません。
うまくいったことだけを取り上げて評価するのではありません。
学生が、学生として、課題に取り組んでいること自体を認めます。大事なことは、この時点で、結果は関係ない、ということ。
「でも、結果が出ないと意味がないんじゃないですか?」
もちろんです。
ただ、正しい方法でかかわることができれば、学生は正しい方法で取り組むことができるようになり、それによって結果はついてきます。
もっと言うと、最終的に良い結果を出すために、必要なかかわりを考える、ということ。
ガミガミ言われて、悔しくなって、やる気を出せる学生なら、ガミガミ言うのも、ひとつの方法です。
が、私は個人的には、今までの指導経験から、口うるさく言い続けてうまくいった試しがありません。(もともと、口うるさく言えるほど、マメでもないのですが。笑)
びっくりされるかもしれませんが、私の電話サポートでは、ただ話を聞くだけで、「否定されなかった、自分の考えを認めてもらえた、褒めてもらえた」と涙を流す学生がたくさんいます。
っで、その後は、何を指示するわけでもなく、自分で課題を認識して、取り組み始めるのです。
これほどに、「認めてもらう」ということに、飢えているのです。
問題は、「やり方」なのではなく、「そのやり方が、その学生にあっているかどうかを、吟味しないこと」なのです。
学生を、自分のやり方(指導方法)にあてはめるのではなく、指導方法を学生に合わせるのです。
学生は、「可能性を秘めた、個性を持った存在」です。
それぞれの個性を活かす、可能性を最大限に開く、そのきっかけになるのが、指導する側の役目である。私は、そう信じています。