考えればわかるよね、に潜む看護実習指導者のレベル
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
と、落ち込む学生さんの話を聞いていて、屁理屈な私は、こんなことに気づいてしまいました。
「考えれば、わかるよね」の裏には、「そんなこと、いちいち聞かないで、自分で考えて。考えれば、わかるんだから」という想いがあるように思うんですね。
でも、ですね。指導者さんに相談した学生さんは、「考えた」んです。自分なりに。
普通はそうです。
ほとんどの学生さんは、質問や相談をする前に、いろいろ考えています。これでもか、そこまでか、というほど。
っで、意を決して指導者さんの元へ行くわけです。
ということは、考えていないのは、実は指導者さんのほう。笑
「学生が、なぜそれを相談してきたのか?それを考えれば、対処の方法わかるよね?本気で考えてね♡」
ただ、実際には、実習でこんなふうに、返事ができるはずはなく。我慢するしかないのか…となりそうですが、なんとかならないのか、というと、なんとかなります。
欲しい答えがもらえるような、質問や相談の仕方に変える。
例えば、学生さんは指導者さんに「患者さんの枕を外してもいいですか」と聞いて、「考えれば、わかるよね。私じゃなくて、患者さんに聞いて」と言われたとします。
でも、学生さんは、「患者さんが枕を外したいかどうかではなく、枕を外すことが、呼吸状態に影響がないのかどうか」を確認したかったのだとしたら…。
そう!それを伝えないといけないわけです。
結果として「どうすればいいのか」だけではなくて、「なぜ、それを相談しに来たのか」を伝える必要がある、ということです。
欲しい答えがもらえるために、もっとも大事なことは、欲しい答えがもらえる投げかけをする、ということ。
今回の場合、なぜ、ちぐはぐな回答をもらうことになったのか、というと、なぜそれを相談しに来たのか、指導者さんに伝わっていなかったからです。
これは、患者さんへの情報収集のときも、同じことが言えます。欲しい情報を得られないとき、欲しい情報を得られない聞き方、要は聞き方が間違っている、のかもしれません。
「この答えをもらうためには、どんなふうに聞くといいんだろう」
普段の生活の中でもできる、コミュニケーションスキルアップのトレーニングです。