看護計画に個別性がないと指摘されたときのチェックポイント
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
間違ってはいないのだけど、個別性が出ていない看護計画とは?
他の誰でもなく、あなたの受け持ち患者さんの場合、どのような方法で、その看護問題を解決するのか(どんな方法で、その援助を行うのか)という、患者さんの特徴が、看護計画から読み取れないとき、それを「個別性がない」と指摘されることが多いです。
例えば、患者Aさん、患者Bさん、患者Cさんがいらしたとします。
3人とも、診断名は心不全。
という場合、教科書に載っている「心不全の看護」が、そのまますべて、3人にあてはまるかというと、そうではありません。
Aさんにあてはまるけれど、Bさんにはあてはまらないものもあるでしょうし、
同じケアでも、Bさんの場合は、看護者が2人で行った方が良さそうだけれど、Cさんの場合は、ご自身でやっていただいても大丈夫そう、という場合もあるかと思います。
この「違い」を看護計画に出すことが、個別性のある看護計画をたてる、ということになります。
患者さんの特徴を踏まえた「看護」、イコール、個別性のある看護の出し方には、大きくわけて2種類あります。
2、ケアの方法の違い
ケアの項目の違い、というのは、一般的には心不全の患者さんの場合、安楽な呼吸をするために体位を整える、というケアが必要だけれど、受け持ち患者さんの場合は、呼吸状態が安定していること、自力で体位を整えることができることから、そのケアは不要、
という具合に、同じ心不全の場合でも、受け持ち患者さんの場合はこんな特徴があるので、このケアが必要(または不要)だと判断する、という場合が、1つめ。
ケアの方法の違い、というのは、同じ「安楽な呼吸をするために、体位を整える」というケアだったとしても、どんな方法で行うのか、
・いつ、行うのか
・何を使って、行うのか
・何人で、行うのか
・どのように、で行うのか
など、患者さんの状態、状況によって、具体的な援助の方法に特徴を出す、という場合が、2つめ。
どちらの場合も、「患者さんの特徴」を踏まえていないと、判断できません。
では、「患者さんの特徴」とは、具体的に何を指しているのかというと、代表的なものは「症状」です。
・右麻痺があるので、どんな方法で。
・発熱しているので、どんな方法で。
・下肢に痛みがあるので、どんな方法で。
・めまいがあるので、どんな方法で。
・浮腫があるので、どんな方法で。
・血圧が変動しやすいので、どんな方法で。
など、現在確認できている「症状」を踏まえて、安楽に安全に、そのケアが行われるためには、どんな方法がいいのか。
ここに、個別性を出すことができます。
さらに、実習記録上には、何をどんな順番で行うのか、という手順とは別に、「患者さんは、こういう症状があって、手順3を行うときは、こんな影響が考えられるため、こういう方法で行う」といった留意点を添えておくことで、読み手に個別性を伝えやすくなります。
患者さんの特徴、ほかには、
・心理状態
・性格
・日課
・習慣
・治療・処置などの影響
などがあります。
これらについても、扱い方は同じです。
それぞれ、どのような状況なので、このケアはこの方法で、このケアはこの時間帯で、このケアはここに注意して、を示すことで、個別性を出すことができます。
看護計画に個別性を出すために、
*患者さんの特徴を踏まえて、ケアの方法を検討する
*患者さんの特徴とは何か、を確認する
個別性が出てない、個別性がない、と指摘されたときには、これら視点で確認してみるといいと思います。^^
<注意>
アセスメントを間違ってしまうと、個別性の出し方もずれてしまいます・・・。患者さんにあった個別性のある看護計画につながる、ずれないアセスメント。>>>おさらい看護過程講座で、学べます。
事前学習も、情報収集も、アセスメントも。すべては、患者さんの看護のために。
ルールを守って看護過程を展開できれば、かならず患者さんに必要な看護にたどりつきます。ずれてしまうのは、どこかで、ルールを守れていないからです。