看護実習のSOAPになっていないSOAPとは
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
SOAPというと、援助を実施した後、援助を振り返る記録、のような印象があるかもしれません。
↑これも、間違いではありません。
正解なSOAPを見ると、確かに援助を振り返っています。
ただ、同じように援助を振り返っていても、
・正解なSOAP
・不正解なSOAP
この2つがあります。
この違いは何か?
振り返りの視点、です。
振り返り、というと、どんな援助だったのか、患者さんにとって良かったのか、良くなかったのか、を評価するわけなのですが、
良かった、良くなかった、の基準をどこに置くか、によって、SOAPの内容が正解になったり、不正解になったりします。
正解なSOAPの、振り返りの視点は2つ。
2、看護目標を達成するためのケアであったかどうか
あっているというのは、患者さんの状態、状況にあっている、ということで、一般的な判断基準は「安全」「安楽」であることが多いです。
患者さんにとって苦痛や危険がなく、行えたか、ということ。
こちらは、比較的きちんとできていることが多いです。
そして、2つめ。
2、看護目標を達成するためのケアであったかどうか
こちらが、忘れられがち。
看護計画をたてた後、
看護計画を実施して、
実施した後に、実施した内容を評価する(振り返る)とき、にSOAPを使います。
実施した内容を評価する(振り返る)のに、SOAPを使うわけなんですが。
大事なことを確認します。そもそも、看護計画はなんのためにたてたのか?
アセスメントをした結果、
・こんなことや、あんなことが影響して(原因で)
・こういう状態になっている
・その状態は、こんなふうに生活に影響を及ぼしている
・ので、看護介入が必要だ=看護問題である
その状態をなんとかしよう、ということで、なんとかするための計画が、看護計画です。
だとすると、その目的を果たさない看護計画は、良い看護計画だとはいえないわけです。ずれている、というやつですね。
つまり、行うケアは、看護問題を解決するためのケア、(看護目標を達成するためのケア)である必要があります。
ところで、あなたの看護計画、↑これになってます?を評価しましょう、というのがSOAPです。
(厳密には、たてた計画をもとに実施した内容を評価することで、計画が妥当だったのかを評価しています)
では、看護問題を解決するためのケア(看護計画)とは、どうやってたてて、実施するといいのか、というと、
アセスメントを使います。
アセスメントをした結果、
2)こういう状態になっている
3)その状態は、こんなふうに生活に影響を及ぼしている
4)ので、看護介入が必要だ=看護問題である
これがわかりました。
ので、看護計画には、1)を減らしたり取り除いたりするためのケアが含まれます。
そのケアによって、2)の状態がどう変わり、3)の状況が、どう変わったのかを確認(観察)します。
すると、もれなく「正解なSOAP」になります。
ずれているSOAP、SOAPになっていないSOAP、というのは、看護問題を解決するためのケアかどうか、という点を気にしていないことが多いです。
そもそもそのケアは、看護問題を解決するためのケアなはずなのに、看護問題を気にせず、自分の感覚で、良かった良くなかったを判断すれば、「ずれる」はずなのです。
看護目標とは、看護問題が解決した状態です。
看護目標を達成するためのケアは、看護問題を解決するためのケアであるはずです。
というわけで、ずれないSOAPを書くポイントは、
・アセスメントの内容を、もう一度確認すること
・2つの視点で評価をすること
アセスメントの内容をもとに、患者さんの何がどうなるための看護計画なのか。
これを確認できると、評価の視点が定まります。