関連図(看護の全体像)によくある間違い
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
関連図のつくり
関連図というのは、文字の通り「関連を示した図」です。
関連を示した図、というのは、言い換えると、何がどう影響して、何が起こっているのか、因果関係(原因と結果の関係)を示した図、ということです。
ということは、矢印でつながる前後の事柄は、原因(要因)と結果の関係になっているはずです。
例)
左心不全(左心機能の低下) →が影響して、肺循環系のうっ血 →が影響して、活動時に息切れが生じている
控えている手術のことが不安 →が影響して、眠れない
できるだけ人の世話になりたくない →が影響して、安静度を守ることができない
・何が影響して(1)、何が起こっているのか(2)
(1) →だから、(2)が起きている
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という場合、
(1)が改善されれば、(1)によって起きている(2)も変化するだろう。
つまり、現状として起きている(2)を改善するためには、(1)にアプローチする必要がある
ということを確認できます。
(2)の状況が、生活に影響を及ぼしているとき、それは「看護問題」であることを意味しています。
なぜ、関連図を書く必要があるのか?
関連図というのは、何が影響して、何が起きているのか、を図にして整理することなのですが、その目的は、
↑この作業をすることで、患者さんの全体を把握すること、それによって、必要な看護は何かを判断すること、です。
先生や指導者さんから、よく聞くフレーズ
「患者さんの全体をとらえる」
これが、とても大事。
全体をとらえる、ということは、ゴードンで例をあげるなら、こういうことです。
まず、ただの部分の集まりとは、
*栄養・代謝において「何が影響して、何が起きているのか」を示す(3)
*排泄において「何が影響して、何が起きているのか」を示す(4)
*活動・運動において「何が影響して、何が起きているのか」を示す(5)
以上。
つぎに、全体をとらえる、とは、
*栄養・代謝において「何が影響して、何が起きているのか」を示す(3)
*排泄において「何が影響して、何が起きているのか」を示す(4)
*活動・運動において「何が影響して、何が起きているのか」を示す(5)
*さらに、3つ(3、4、5)の関係を確認する
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3つの関係を図にあらわすことで、患者さんの全体を表現できる、ということです。
こうして、全体を把握できることで、何に対して看護介入するべきか、ということを根拠を持って判断できます。
看護問題を判断できない関連図
よくある間違いというのは、情報を時系列にならべる、ということ。
時系列に並べるというのは、起きた出来事を時間の経過にそって並べる、ということ。
これが起きたので、次にこれをして、その次にこれをして、、、というのは、それらが起きた順序を示しているのであって、「因果関係」を示しているわけではありません。
ということは、矢印の最後になる「今起きていること、今後起こりうること」を改善するために、原因や要因にアプローチしようと思って、矢印をさかのぼっても、原因や要因にはたどりつきません。
なぜなら、そこにあるのは、箇条書きになった因果関係のない情報の羅列だから。
関連図を書く目的は、
*患者さんの全体を把握できることで、必要な看護を判断すること
そのためには、因果関係(原因、要因と結果の関係)を示す図にすることが重要です。
>>>イメージ図で確認してみよう 【図解】ゴードンの看護アセスメントの流れ