基礎看護学実習の援助計画に出す個別性とは?
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
援助計画に個別性を出すために、もっとも大切なこと。
それは、「個別性とは何か?」を理解していること。
援助計画に個別性を出せない時、どうやって個別性を出せばいいのか、の前に、「個別性のある援助計画ってなんだ?」 ここで困っているんじゃないのかな、と感じることが多いです。
では、個別性のある援助計画とはなにか?というと、患者さんの特徴を踏まえた援助計画、ということ。
「踏まえる」ってなんだ?というところから、確認してみます。
「患者さんの特徴を踏まえる」とは、「患者さんの特徴に、特に注目して」「患者さんの特徴を、気にしながら」「患者さんの特徴を、押さえて」などと言い換えることができそうです。
患者さんには、こんな特徴があるから、この方法で行う。患者さんには、こんな特徴があるから、この時間に行う、といった具合に、この援助をこの方法で行う「理由」と、「患者さんの特徴」には、大きな関係、があります。
なぜ、この方法で行うのですか?と聞かれた時の答えが、(よくある、あの質問です。根拠は何?)
・この方法で行うことで、★(例;麻痺)という特徴のある患者さんにとって、安全だからです。
・この方法で行うことで、★(例;頭痛)という特徴のある患者さんにとって、安楽だからです。
・この方法で行うことで、★(例;不安)という特徴のある患者さんにとって、自立を促すことができるからです。
この方法で行うことによって、★という特徴のある患者さんの健康状態が、より良くなる、ここがポイント。
ここでいう「★」には、症状などの身体的な特徴や、心理状態、性格など、いろんな特徴が含まれます。
くわしくは、別の記事で解説しようと思います。
Q1;なぜ、この方法で行うのですか?
→この方法が、患者さんにあっていると思うからです。
Q2;患者さんにあっている、とは、もう少し具体的に言うと、何がどんなふうにあっている、ということですか?
→これを、こういう方法で行うことで、患者さんの状態がこんなふうに良く変わる、ことを指しています。
先生や指導者から「なぜ?」と聞かれると、つい「なんで、こんな援助計画になってしまったわけ?」と言われているんじゃないかと、ネガティブな印象を持ってしまいがち。(聞き方も影響するかと思いますが。)
ですが、ここで先生や指導者が意図していることは、「なんで、こんな援助計画になってしまったわけ?」という意味での「なぜ?」ではなく、「どんな効果を期待して、この援助計画にしたのか?」「この援助計画にした目的は何か?」です。
さきほどの、やりとりでいうところの2つ目の質問の答えを確認するための、「なぜ?」なんですね。
患者さんに行う、すべての援助には、それを行う目的があります。なんのために、その援助を行うのか?ここを理解している必要があります。
さらには、「この患者さんの場合」その目的を果たすために、その援助を「どんなふうに行う」といいのか。このことを考えるときに、「特徴を踏まえる」ということが重要になります。
清潔を保持する、という目的で、清拭を行う場合でも、右片麻痺がある方とない方、では方法や留意点は異なります。2歳の子供の場合と、40歳の方の場合とでは、方法や留意点が異なります。これから手術を控えている方と、退院間近の方との間にも、違いがあるかもしれません。
「こういう特徴のある、この患者さん」なので、この方法で行う。「こういう特徴のある、この患者さん」なので、なにを、どんなふうにするのか。これを具体的に示した援助計画が、個別性のある援助計画、ということです。
援助計画に個別性がない、または十分ではない、と指摘を受けるときというのは、援助計画の中に、注目すべき患者さんの特徴が反映されていないとき、と言えそうです。
麻痺のことを考慮した方法を検討してほしい、
年齢、発達段階の特徴を考慮した方法を検討してほしい、
現在の心理状態を考慮した方法を検討してほしい、
そんな意図(想い)が含まれていることが多いです。
ということは、個別性のある援助計画を立てるために、もっとも重要なことは、そもそも「患者さんの特徴」とは何かを知ること。
援助に影響する、患者さんの特徴って、なんだろう。
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