基礎看護学実習の援助計画に取り入れたい個別性とは?
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
こちらの記事の続きです。↓↓
個別性のある援助計画とは、患者さんの特徴を踏まえた援助計画、のことを言います。
つまり、個別性のある援助計画を立てよう、というのは「患者さんにあった援助計画」をたてよう、ということ。
その意味はわかるんだけど、どうすれば「患者さんにあった援助計画になるのか?」ここがポイント。
先日、個別サポートで、学生さんと一緒に「個別性のある援助計画」を考える機会がありました。
学生さんは、「患者さんは温泉が好きなので、足浴をするときに、「温泉の素」を使ってみたい」と。
なるほど!これも個別性。
・患者さんの好きなこと、興味のあることを取り入れる
そういえば、学生時代、実習によく入浴剤を持って行ってました。「お好きな香りはありますか?」患者さんと一緒に入浴剤を選んで、足浴の準備をしたものです。
患者さんに喜んでもらえる、患者さんの役に立てる、それが何よりうれしいですもんね。認められたうれしさ、役に立ったうれしさ、がんばろうというモチベーションの持続。実習中、患者さんには本当に助けられるものです。そんな患者さんなので、なおさらお役に立ちたい!この循環が、「患者さんのためのケア」についてのアイデアを生むのかもしれないですね。
のだとすると、患者さんを巻き込む、というのは、個別性を出す援助を考えるのに、いいかもしれないですね。自分の中での想像で完結することなく、患者さんから直接アイデアをもらえる、関係づくりのためのコミュニケーションにもなり、結果患者さんにあったケアも計画できる、一石二鳥です。
さて、患者さんのためのケア、続けていきましょう。
援助計画に影響する個別性とは、大きく分けると、この3つの視点をおさえておくと、援助計画に取り入れやすいかと思います。→個別性を確実に出すための3つの視点
ここでは、上記のブログ記事「身体的特徴」について、もう少し詳しくしてみます。
身体的特徴を踏まえる
身体的特徴、というと、わかりやすいのは「症状」です。
特に「目に見える」症状については、援助計画に反映しやすいです。
例)
・肩が痛いので、こうする
・足が腫れているので、こうする
・麻痺があるので、こうする
・視力が低下しているので、こうする など
他に注目すると良いのは、以下のような内容です。
1、その日の体調、気分などの自覚症状
2、自覚症状以外の気になる症状
3、くすりの作用、副作用
4、治療や検査に関連すること
1、定期的に確認している、病気の症状とは別に、「今日の体調や気分」にも注意したいです。
・昨日、よく眠れなかったので、今日は疲れている、とか
・今朝は、時間のかかる検査があったので、昼間は少し休みたい、とか
・家族のことが気になるので、ちょっとひとりにしてほしい、とか
すでに、援助計画を立てた後、当日になって、いつもと違う患者さんの様子に気付いたとき、その違いに考慮することも、個別性のある援助計画につながります。
2、自覚症状以外の気になる症状
先ほども登場しましたが、「目に見える症状」というのは、気づきやすいです。ので、援助計画にも反映させやすい。その一方で、「目に見えない症状」というのは、文字の通り目に見えないので、気づきにくい、意識していないと気づきません。ので、結果として、援助への影響をつい忘れてしまいがち。
目に見えない症状というのは、「検査結果」として把握できることが多いです。
・血液検査の結果
・レントゲンの結果
・生理学検査の結果(心電図、エコーなど)
・バイタルサイン など
例えば、心臓の機能を調べる「心臓のエコー」で、心臓の機能が低いということがわかったとします。ただ、患者さんは安静にしていると、明らかに息苦しいというわけでもなさそうだ、というとき、「心臓の機能が低下している」ということを忘れて、援助計画をたててしまうことがあります。
援助を行うこと、援助で患者さんにこんなふうに動いてもらうこと、協力してもらうこと、などが、「低くなっている心臓の機能」にどんなふうに影響するのか。これを考えて、援助の内容や方法を検討する。これも、個別性のある援助計画です。
3、くすりの作用、副作用
飲んでいるくすり、点滴しているくすりの作用や副作用が現れることで、患者さんの生活に影響を及ぼすとき、それを踏まえて、援助計画を検討します。
例えば、朝食後に利尿剤を内服するので、午前中はお手洗いに行く回数が増える。ということを踏まえて、午前中はできるだけ、自由に過ごせるスケジュールにする、とか。
いつも、朝食後に血圧の薬を飲むと、午後から調子が良くなる。ということを踏まえて、午後に動きのあるケアを予定する、とか。
どんなくすりを使っていて、それがどんなふうに生活に影響しているのか。これを知っておくと、いつ、どんな方法でケアをするといいのか、を決めるときに役立ちます。
4、治療や検査に関すること
わかりやすいのは、「酸素療法」をしているときの、ラインの取り扱いや、取り外し。他にも、「持続点滴」をしているときの、ラインの取り扱いや、動ける範囲の把握、刺入部への配慮など。
安全に安楽に治療や検査が行われると同時に、必要なケアができる、ここにも、患者さんの状況を踏まえた援助計画が必要になります。
実習で受け持つ患者さんは、治療や検査を目的に、入院されていることが多いです。というとき、「身体的な側面への配慮」は必須です。
患者さんが、どんな病気で、どんな状態、状況なのか、だから、どんなケアをどんな方法で行うのか。そのケアを、その方法で行うことにした、その裏付けとして「身体的な特徴」を踏まえていることが重要です。^^
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