看護アセスメントによって候補の看護診断が浮かび上がるからくり
アセスメントは、ちゃんと候補の看護診断が浮かび上がるようになっている、というからくりについて、>>>こちらの記事の補足を少々。
なぜ、候補の看護診断が浮かび上がるのか
というと、浮かび上がるようなしくみになっているからです。
今回は、ゴードンの機能的健康パターンを使って、からくりを説明します。
ゴードンの機能的健康パターンは、アセスメントをするためにつくられた枠組みです。機能的健康パターンの種類は、全部で11。それぞれのパターンに対応して、看護診断が分類されています。←ここです。ここが、大事なところです。
それぞれのパターンに対応して、看護診断が分類されている、というのは、「このパターンに分類される看護診断はこれだよ」ということが決まっている、ということです。
ということは、ですね。それぞれのパターンで必要だとされている情報というのは、そのパターンに対応する看護診断が、対象の患者に当てはまるかどうかを判断するために必要な情報になっている、ということなんです。
ん?わかりにくい??
例えば、栄養・代謝パターン。このパターンでは、主に、必要な栄養・水分を摂ることができているかどうか、必要な栄養をとるための機能に問題はないか、栄養状態が皮膚・粘膜に影響を及ぼしていないか、という点について判断します。
これらの点について判断するには、判断の材料となる「情報」が必要です。照林社の『ゴードン博士の看護診断アセスメント指針 よくわかる機能的健康パターン』によると、栄養・代謝パターンでは、1日の食事摂取量、1日の水分摂取量、体重の増減、食欲、間食、嚥下の状態、などなど、こんな情報を集めましょう、という項目がならんでいます。
これらの情報というのは必要な栄養・水分を摂ることができているかどうか、必要な栄養をとるための機能に問題はないか、栄養状態が皮膚・粘膜に影響を及ぼしていないかを判断するための情報で、
もし、必要な栄養・水分を摂ることができていない、必要な栄養をとるための機能に問題がある、栄養状態が皮膚・粘膜に影響を及ぼしている、となったときには、冒頭に登場した【栄養・代謝パターンに対応した看護診断】のどれかが当てはまることになります。
つまり、ゴードン博士が準備してくれた「こんな情報を集めるといいよ」の「こんな情報」というのは、パターンに対応した看護診断が当てはまるかどうかを判断するための情報になっている、ということ。
栄養・代謝パターンに対応した看護診断には、
・栄養摂取消費バランス異常:必要量以下
・嚥下障害
・皮膚統合性障害リスク状態 などがあります。(まだまだ、あります)
ゴードン博士の準備してくれた観察項目に沿って情報を集めてアセスメントすると、これらの看護診断が、対象の患者さんに当てはまるかどうかを判断できる、というわけなんです。
カレーを作るために準備した材料を、カレーのレシピに沿って作れば、カレーができる。これと同じで、パターンに対応した看護診断に当てはまるかどうかを判断するために集めた情報で、パターンに対応した看護診断に当てはまるかどうかを判断したら、パターンに対応した看護診断に当てはまるかどうかがわかるよね、という話。
実際に、情報を使って、看護診断してみると、イメージしやすいかもですね。(そちらのデモはまた、別の記事で →別記事書きました>>>「NANDA-Iの本を使って実際に看護診断する方法と情報収集の関係』)
候補の看護診断が浮かび上がってしまうからくり、実はこういうことだったんです。ゴードン博士、ありがとうございます。