看護アセスメントをする前に看護診断を選ぶのは間違い?
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
ちゃんとアセスメントをしないで、看護診断を選んでしまうって、ダメですよね。わかってるんですけど、時間がなくて。
実は、ダメではないです。^^
最初に、大切なことをお伝えします。
「仮説と、決めつけは違う」
ちゃんとアセスメントをする、というのが、どこまでのアセスメントを指しているのか、ということにもよるかもしれませんが、アセスメントが文章になっていなくても、「この看護診断があてはまりそうだ」と仮説をたてることは間違いではありません。むしろ、必要です。
「この看護診断があてはまりそうだ」
そう考えたとき、そこにはかならず、そう考えた「なにかしらの材料」があるはずです。
何の情報もない状況で、いきなり「転倒のリスク状態」があがりそう、とは、ぜったいになりません。
事前の情報もなくて、患者さんにもお会いしていなくて、「睡眠パターン混乱」があがりそう、とは、ぜったいにならないのです。
少なくとも、転倒に関係する何かしらの情報、睡眠に関係する何かしらの情報があって、はじめてそれぞれの看護診断が思い浮かぶはずです。
判断の材料となる情報があって、あてはまる可能性のある看護診断をあげることを、江川隆子先生編集のヌーベルヒロカワ「ゴードンの機能的健康パターンに基づく 看護過程と看護診断」の中で、「スクリーニング」とよんでいます。
ただ、この段階で、「これが、最終的な看護診断だ」と決定してしまうのは、間違いです。
この段階は「受け持ち患者さんに、ある看護診断があてはまる可能性がある」とわかったところ、です。
最終的な看護診断をするためには、その看護診断が、本当に受け持ち患者さんに当てはまるのかどうかを判断する作業が必要になります。
かんたんな手順にすると、こうなります。
1、ひとまず持っている情報で、あてはまる可能性のある看護診断を確認する
2、その看護診断が、実際にあてはまるかどうかを確認するために必要な情報を追加する
3、追加した情報も合わせて、アセスメントする
4、仮説を立てた看護診断が、受け持ち患者さんに該当するのかどうかを判断する
ひとつずつ、確認していきましょう。
1、は、最初の仮説の段階。
2、取り上げた看護診断の「診断指標」「関連因子」などを確認して、追加情報を集める。
ある看護診断が、受け持ち患者さんに当てはまるかどうかを判断するとき、【判断する方法】があります。この方法を使わないで、【選んでしまう】【決めてしまう】と、それは、決めつけになります。
ので、決めつけにならないよう、決まった方法で「判断」する必要があります。そのための準備として、診断指標や関連因子などを確認して、判断に必要な情報は何かを明確にします。(看護診断の方法は、>>>こちらから)
3、1、の段階でもっている情報と、2、によって追加された情報を合わせて、アセスメントをします。(現在の状態を判断します)
4、3、のアセスメントの内容から、その看護診断が該当する、と判断できたとき、1、で仮説を立てた看護診断は、受け持ち患者さんに当てはまる、と判断できます。
ひとまず持っている情報で、仮説を立てる。
その仮説がただしいかどうかを判断する。
最終結論を出す。
この流れで、最終的な結論(看護診断)を出すことができれば、最初の段階で、仮説として「看護診断を選ぶ」というのは、間違いではありません。
よく言われる、「アセスメントをする前に、看護診断をしてはいけない」というのは、正しくは「アセスメントをする前に、看護診断において、最終的な決定をしてはいけない」ですね。
看護診断は、あくまで、アセスメントの結果があって、初めて判断できるものです。^^
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