看護診断に必要な基本用語〜診断指標、関連因子、危険因子とは〜
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
看護診断をするときに登場する、3つの用語について説明します。
診断指標とは
NANDA-1 定義と分類より
診断指標は、問題焦点型看護診断、ヘルスプロモーション型看護診断、またはシンドロームの所見としてまとまった観察可能な手がかり/推論である。看護師が目で見ることのできるものだけを意味するのではなく、見る、聞く(例;患者/家族からの話)、触る、嗅ぐことができるものも含まれる。
徴候、として捉えて良いと思います。
受け持ち患者さんと、診断指標を照らし合わせるとき、診断指標に示されている状態、状況が、受け持ち患者さんにあらわれている場合、「その診断指標があてはまる」と判断できます。
例)【活動耐性低下】
定義;必要な日常活動または望ましい日常活動を持続や遂行するための、生理的あるいは心理的エネルギーが不足した状態。
診断指標;
・活動時の異常な血圧反応
・活動時の異常な心拍反応
・心電図の変化
・労作時の不快感
・労作時呼吸困難
・消耗性疲労
・全身の脱力感
ここまでは、定義と分類の本で確認できる内容。
これと、実際に自分がおこなったアセスメントとを照らし合わせます。
【受け持ち患者さんの状態(アセスメント例)】
安静時の血圧は、110/50-60mmHg 心拍数は、60代で安定している。ただ、食事のため臥位から座位に自力で体位を変えるとき、血圧は拡張期、収縮期ともに約20mmHg、心拍数は、90代となり、息苦しさが生じる。血圧、心拍数ともに急激な上昇を認めており、自覚症状も伴うことから、過剰な心負荷がかかっているといえる。
診断指標と、アセスメントを照らし合わせて、以下の3つが当てはまると言える。
診断指標;
■活動時の異常な血圧反応
■活動時の異常な心拍反応
・心電図の変化
・労作時の不快感
■労作時呼吸困難
・消耗性疲労
・全身の脱力感
定義にもあてはまっていて、
診断指標も、該当するものが3つある、ので、この看護診断は、受け持ち患者さんにあてはまる可能性が高い。続いて関連因子も確認してみよう。
関連因子とは
NANDA-1 定義と分類より
関連因子は、原因となる因子、あるいは、看護診断との間に一種のパターン的な関係が認められる因子である。このような因子は「〜に先行する」「〜に伴う」「〜に関連した」「〜の一因となる」「〜を助長する」と表現される。問題焦点型看護診断とシンドロームでは関連因子が必要になる。ヘルスプロモーション型看護診断では、診断を明確にする場合にのみ関連因子がある。
原因、要因、として捉えて良いと思います。
定義で説明しているような状態、状況になっている原因、要因として、考えられるものを選択します。
例)【活動耐性低下】
定義;必要な日常活動または望ましい日常活動を持続や遂行するための、生理的あるいは心理的エネルギーが不足した状態。
関連因子;
・床上安静
・全身の脱力感
・酸素の供給・需要のアンバランス
・不動状態
・座位中心ライフスタイル
ここまでは、定義と分類の本で確認できる内容。
これと、実際に自分がおこなったアセスメントとを照らし合わせます。
【受け持ち患者さんの状態(アセスメント例)】
安静時の血圧は、110/50-60mmHg 心拍数は、60代で安定している。ただ、ベッドサイドのトイレに移動するとき、血圧は拡張期、収縮期ともに約20mmHg、心拍数は、90代となり、息苦しさが生じる。血圧、心拍数ともに急激な上昇を認めており、自覚症状も伴うことから、過剰な心負荷がかかっているといえる。このような状況になっている要因として、心機能の低下、および安静療法により、ベッド上の生活が続いていることが考えられる。
関連因子指と、アセスメントを照らし合わせて、以下の3つが当てはまると言える。
関連因子;
■床上安静
・全身の脱力感
■酸素の供給・需要のアンバランス
・不動状態
■座位中心ライフスタイル
定義にもあてはまっていて、
診断指標も、該当するものが3つあって、関連因子も3つ該当するものがある。この看護診断は、受け持ち患者さんにあてはまると言えそう。
危険因子とは
NANDA-1 定義と分類より
個人・家族・集団・地域社会(コミュニティ)の、健康によくない出来事に対する脆弱性を増大させる、環境的因子および生理的・心理的・遺伝的・化学的因子である。リスク型看護診断飲みに危険因子がある。
リスクファクター(危険因子)、として捉えて良いと思います。
定義で説明しているような状態、状況を生じることに影響する因子として、考えられるものを選択します。アセスメントの中での「分析」の中に含まれる内容と照らし合わせることが一般的です。
参考文献;医学書院 NANDA-1 看護診断 定義と分類 原書第10版
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