自分にあった看護過程の学び方〜素直じゃないと損なのか〜
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
30代、40代の看護学生さんたちから、よくいただくご相談。
若さならではの、素直さ、柔軟さ、私もうらやましいなと思うことがあります。わかります、その気持ち。。。私は、若い頃から、頭がかたいほうなので、柔軟にいろんなことを思いつく人を、今でもうらやましいです。
その一方で、人生経験を積まれた30代、40代の看護学生さんの「常にご自身の考えを持っている」ということも、強みだと、最近強く感じます。
その考えが、アドバイスと正反対のことであったとしても、です。
看護の現場は、「判断の連続」です。
ある場面に遭遇して、その場面を自分なりに解釈、判断して、行動を決めます。
ここで重要なのは、行動の始まりが「自分なりの解釈」である点です。
解釈する、ということは、これまでの経験や、今持っている知識をもとに、自分なりに捉える、自分なりに理解する、ということ。つまり、「考える」ということが行われているはずです。
「考える」があるからこそ、その考えをもとに、どうするのかを決めることができて、自分なりに判断した結果による行動につながります。
アドバイスされたことがあって、それを自分なりに解釈したからこそ、「ん?なんか変だな」とか「納得いかないな」とか「なるほど、そういうことか」とか、という反応が起こって、だからどうするか、が決まるわけです。
アドバイスされたことに対して、自分なりの解釈がないまま、言われた通りにする、というのは、「素直」ではなく、「鵜呑み」です。
素直と鵜呑みの最大の違いは、「アドバイスされたことを解釈しているかどうか」という点です。自分なりに考えて、そのアドバイスを捉えているかどうか、ということ。
この「考える」というのが、とても重要です。看護をする上で、必須です。
若い人たちがすべてを「鵜呑み」にしている、ということではありません。年齢や経験に関係なく、「考える」ということを避けて、言いなりになることが、素直なのではない、ということです。
看護の現場では、依頼や、指示を受けて行動することがあります。が、この場合、依頼や指示の意味を捉える、ということをしないで、言われたままに行動することは、事故やミスにつながりかねません。
医療事故情報収集等事業 第 48 回報告書 (2016年10月~12月)によると、この期間に生じたヒヤリハット事例の分類で、もっとも多かったものは「薬剤」ついで「療養の世話」いずれも、看護師の業務として割合の高いものです。
また、当事者数を経験年数別に比べると、3年未満が多いです。
さらに、発生要因として、「観察や確認を怠った」「知識・技術不足」が上位に上がっています。
看護師という資格をもって看護をする以上、「そう言われたので、言われた通りにしました」というのは、看護師の責任を果たしていることにならないのです。
どんなときも、自分なりに解釈をして、解釈の結果どうするのかを決める。これができることは、看護師として活動する上で、必須なことで、すでにこれができていることは、強みです。
どうか、「言いなりになっていた方が、いろいろと都合がいいから」と、本来のあなたの魅力を発揮することを諦めないでください。
あきらめる代わりに、「素直になる」方法を、一緒に考えてみませんか?^^
素直にもなれて、考えることもできる。それは、最強です。
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
マザー・テレサ
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