看護実習に役立つ関連図をいちから学ぶ〜病態関連図の見方・書き方〜
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
看護実習で書く「関連図(=看護を含む全体像)には、大きく分けて、3種類の項目が含まれています。
1、病態
2、検査、治療(処置)
3、(生活への影響および)看護
まずは、ひとつめの病態から、確認していきましょう。
病態関連図とは
何がどうなって、どんな症状が出るのか(出ているのか)病気のしくみを図にあらわしたもの。
照林社プチナース2016年11月号別冊付録より
本ブログでは、
・病気のしくみを、図に表したものを、病態関連図、と呼ぶことにします。
・病態関連図に、治療や検査、看護が加わったものを、関連図、と呼ぶことにします。
基本的には、関連図の中の、矢印の前後は因果関係(原因と結果の関係)になっています。
矢印の前が、原因。
矢印の後が、結果。
例)右心不全の状態がが原因で、右心室の収縮機能が低下するという結果が生じている。ということ。
「病態関連図」の場合、矢印のいちばん先(最後)は、症状になるはずです。
体のどこが、どうなることで、何が起きて、それによって、どこがどうなって。。。。。。。の最後に「症状」
例)右心不全によって、右心室の収縮機能が低下して、右心室に血液が貯留することで、全身の静脈系がうっ血して、中心静脈圧が上昇すると、頸静脈が怒張する、という症状が出る。ということ。
既成の病態関連図を使う場合は、このしくみがすでにできあがっているので、矢印をたどりながら、何が原因で、何が起きているのかを確認すればオッケー。
自分で、いちから病態関連図をかく場合
1、病気の原因は何か、を確認する
→病態関連図の始まりの部分に位置付けられるはずです。ここから、ひとつめの矢印が発生します。
2、病気の症状は何か、を確認する
→病態関連図の最後の部分に位置付けられるはずです。最後の矢印の先が症状。以上終わり、となる位置。
3、それぞれの症状が生じる成り立ちを確認する
→何がどうなって、その症状が出るのかを確認して、1、2をつなげる
かならずしも、この順序でないといけないわけではありませんが、1→3→2の順序で作業をすると、どこが最終地点なのかがわからず、作業の途中で混乱することが多いです。
特に、病態理解が十分ではない場合、勉強しながら、図にまとめる、というときには、全体が見えにくい分、途中で迷子になりやすいです。
ということを踏まえて、病態関連図初心者さんには、この順序で病態関連図をまとめる作業をすることをおすすめします。
見やすい病態関連図をかくために
大事なことは、最初から、きれいにまとめようとしないこと。
最初から、きれいにまとめることができるに、越したことはありません。もちろん、できればオッケー。
ただ、最初からきれいにかける、ということは、できあがりの全体像をイメージできている、ということです。
つまり、病態理解ができている、ということ。
体のどこがどうなって、何が起こって、どんな症状が出るのか。
この全体を把握できていて、初めて、どちら向きに進めるといいか、とか、この症状は途中の説明が多くなりそうだとか、こことここはつながる、みたいなことがわかります。ので、きれいにかく、ということができます。
その一方で、ひとつひとつ病態を確認しながら、同時にかく(清書)という作業をすると、予想以上に用紙の片側に偏ったり、矢印がある1箇所にかたまったり、ということが起こります。
起こっても良いです。^^
自分が内容がわかればいいので、本来はそれで良いです。
ただ、記録物として提出するとき、雑誌に出てくるような整頓された、バランスのとれた、センスのある病態関連図である必要はありませんが、少なくとも「相手が読み取ることのできる」図になっている必要はあります。
という理由で、慣れないうちは、全体を確認する目的で、ざっくりとまとめて、それを清書する、という方法がおすすめです。
ざっくりまとめる段階では、上の図で言うところの、3をすべて書き出す必要はありません。どんなことが該当するのかだけを確認して、実際に書くのは、清書の用紙で良いと思います。
というわけで、まとめ。自分でいちから病態関連図をかくとき、
1、該当する疾患について解説している教科書、参考書を見つける
2、疾患の原因を確認する
3、下書き用紙に、疾患の原因を書いて、スタート地点にする
4、スタート地点と正反対の位置に、症状を書き出す(ゴール地点)
5、それぞれの症状について、なんがどうなって生じているのかを確認する
6、5の内容をもとに、スタート地点と、ゴール地点の間が、どんなふうにつながるか確認する(必要であればメモしておく)
6、4、5、6を踏まえて、清書
繰り返しになりますが、この方法が「正解」というわけではありません。必要事項をもれなく含むこと、混乱しにくいことなどを考慮した、初心者向けの方法ということで、紹介させていただきました。
書く回数が増えていく中で、自分にあった「やり方」ができあがっていきます。自分のやり方を見つけるには、数をこなすことが重要。まずは、やってみることが大事です。