看護過程を展開するときのゼッタイに無視してはいけないルール
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
看護過程というと、おなじみの、こちらの図。
看護過程を習ったことのある人は、一度は見たことがあるかと思います。
この図が説明しているのは、5つの「つながり」です。
看護診断をするために、アセスメントをして、
アセスメントした内容を元に、看護診断をして、
看護診断の結果をもとに、看護計画をたてて、
たてた看護計画を実施して、
実施した看護計画を評価して、
評価の内容を元に、看護計画を見直して、
場合によっては、看護計画を改善するために必要な情報を集めて、
アセスメントをし直した結果、
看護計画を立て直すことができたら、再び看護計画を実施して、
実施した看護計画を評価して…
これを繰り返して、より患者さんに適した看護にしていきます。
多分、学校で習ったとおりです。
「知ってるよ」という人も多いと思います。
が、実際には、このルールを守っていない人が、かなり多い。守っていない、というよりは、「正しく理解できていない」人が多いです。
看護過程を展開するときのルールは、先ほどお伝えした通りなんですが、この説明を、
1、アセスメントをする
2、看護診断をする
3、看護計画を立てる
4、看護計画を実施する
5、看護計画を評価する
5つのことを、この順番でやるってことでしょ、と理解しているとき、看護過程の展開が「ずれ」ます。
なぜなら、ルールのポイントである「つながり」が無視されてしまっているからです。
この5つは、この順番にやればいい、という話ではなくて、前後のつながりをもって展開することが重要です。
「つながり」を無視してしまう、というのは、
看護診断を意識しないで、アセスメントをする、とか
アセスメントや看護診断を意識しないで、看護計画(看護目標)をたてる、とか
看護計画を意識しないで、看護計画を実施する、とか
看護計画を実施した内容を意識しないで、看護計画を評価する、とか
あるステップの作業をするというときに、前のステップの作業の内容を確認しないまま、ゼロから作業を始めようとすることです。
つながりのある看護過程の展開、というのは、
患者さんの状態を判断して(アセスメント)、
その状態に合わせて、必要な看護は何かを判断して(看護診断)、
状態にあった必要な看護を行うための準備をして(看護計画立案)、
実際に、その看護を行って(看護計画実施)、
現在の状態にあわせて必要だと判断した看護を行った結果、
それは、現在の状態を改善する、より良くするために効果的だったのかを判断して(看護計画評価)、
必要であれば、適宜看護計画を見直していこう、という内容になります。
アセスメントをしたのに、その内容を使わないで、看護診断する、ということは、患者さんの状態について判断しておきながら、その内容は使わずに、結局どんな看護が必要なのかを考える、ということです。
おかしな話ですし、何よりこれでは、患者さんに適した看護診断はできません。
現在は、こういう状態なので、この患者さんにはこういう看護が必要だ、ということがわかったら、
・こういう状態を、どうするといいのか
・この患者さんの場合は、何をどうするといいのか
を、もとに、実際に行う内容を決めていくはずです。
把握できた状態、状況を無視して、「さて、何をしようかと考える(看護計画をたてる)」ので、計画の内容はいつまでたっても浮かばないし、なんとか振り絞って浮かんだとしても、それが患者さんにあっているとは限らない、ということが起こります。
結果として、患者さんにあった看護ができる、そのために大事なことは、「看護過程のルールを守って、展開をすること」です。
5つのステップを順番に行う、のではありません。前後のつながりを持って、次に進んでいく、ことが重要です。^^
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