誰にでもできる看護実習の指導技術を上達させる方法
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
【学生目線の精度をあげる】
実習指導がうまくいったかどうか。
この判断というのは、指導した「私」の満足度、ではなくて、指導をした「学生」の変化が、判断の材料になるんですよね。
長年、いろんな学生と関わってきて、改めて思うんです。
実習指導がうまくいったとき、というのは、学生にとっての実習がうまくいったとき。これって、学生理解、が、実習の成果を左右するカギだということ、を意味しているんだと思うんですね。
教育者で、著述家の藤原和博さんが、自己紹介と自己プレゼンの違いを、こんなふうに語っておられます。
改めて思いました。
学生の反応の良くない授業や指導っていうのは、「説明」をしていただけで、「プレゼン」をしていなかったんだなって。
ナースの先輩として学生と関わるようになって、特に「考え方を教える」ということを始めてから、いつも必ずするようにしていることがあります。
それは、指導する学生と、同じ課題を、私自身もやってみる、ということです。
アセスメントを課題にしたら、私自身も同じ事例でアセスメントをしてみる。
「アセスメントをしてみる」というのは、
・こんな結論になるだろうな
・こんな感じになるだろうな
・ここは押さえておいてほしいな
と、ポイント、要点、概要を頭の中で把握したり、箇条書きにしたりする、のではなく、学生が実際に課題として提出するのと同じ形にして完成させる、ということ。
頭の中に、おおよそのことが浮かぶことと、実際に文章にすることの違いを実感します。
・こういうことを言いたいんだけど、この情報はどこに入れるといいかな
・こういうことを言いたいんだけど、どうやってまとめるといいかな
・こういうことを言いたいんだけど、どっちを先にするといいかな など
文章にすることにおける、悩み、迷い、苦労、感じることなどを体験できます。
これが、学生目線に近づく=学生の頭の中をのぞく、ということだと思うんです。
どんなアドバイスも、相手に届かなければ、アドバイスとして成り立ちません。
相手に届く、ということは、相手がわかる、ということ。相手がわかるためには、相手がわかる言葉で、相手がイメージできるような表現が必要だ、ということです。
どれだけ詳しく説明するか、
どれだけ丁寧に説明するか、ではないんです。
相手がわかる表現で、詳しく、
相手がわかる表現で、丁寧に、なんですね。
効果的な指導のポイントは、いかに学生の頭の中をイメージできるか。
学生が、何を感じて、何を考えているのか。
ここを、どれだけイメージできるかがポイント。
なんでそんなこともできないの?とにかく必要なんだから、やりなさい、という想いで関わるのと、
こうして文章に書くのは、本当に大変だよね、私もやってみたからわかるよ、という想いで関わるのと、学生の目に写る私たちは、違ってくるはずです。