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実習がうまくいく学び方・教え方

03|「看護を学ぶ」「看護を教える」すべての人のための、看護実習お悩みQ&A

現実的な看護実習指導とはなにか?

いつも、ありがとうございます。

ローザン由香里です。

 

 

 

 

 

個人的に、よくある今の「実習記録」を指導する、というスタイルに疑問を感じています。

 

 

 

看護過程を展開する実習の、本来の目的は、「看護過程を展開できること」つまり、受け持ち患者に必要な看護は何か、を自分なりに判断できること。

 

 

 

ここでいう「自分なりに判断できる」というのが、とても大事だと思っていて、間違っても「私たち指導者が持っている答えにたどりつくこと」ではなく、さらには「たどり着くのが、早ければ早いほどいい」というものでもない、のかなと。

 

 

 

自分なりに判断できる=どんな結論であれ、そこに裏付けがある。

 

 

 

慣れないうちは当然、裏付けが甘いこともあるかもしれないし、裏付けと結論があっていない、ということが起こるかもしれない。けど、結論が正解なのか、ではなくて、結論に至るまでの【プロセス=考え方】にアプローチする必要があるんじゃないかと思う。ここを鍛えることが、判断力を鍛えることになるんじゃないかと。

 

 

 

私たち指導者が持っている考え=唯一の正解、なのだとすると、学生たちは、その正解が何かを探ろうするわけで、もはや自分の考えは、そこにはなくなるわけで。

 

 

 

・指導者は何を言いたいんだろう

・先生は何を求めているんだろう

 

 

 

こんなことばかり考えて、フォーカスが、患者からどんどん離れていく。これが、看護過程を展開する、という実習で、看護過程を展開する力がつかないからくり、なんじゃないかと、つくづく思う。

 

 

 

これ、実習の悲劇にとどまらず、「指示されなければ動けない」という人材を生む、ということにもつながるんだろうな、と。

 

 

 

だって、正解は「相手が持っているから」しかも、間違ってはいけないから、失敗してはいけないから(怒られるからね、許してもらえる環境、関係がないからね)、わざわざ自分で判断するなんていう「リスク」を侵したくはないわけで。

 

 

 

学生や新人ナースが、主体的に動けない、考えることが苦手、自分で判断できない、のは、世代の問題ではなくて、そういう人材を、指導する私たちが生み出しているんだと思う。もちろん、意図しているわけではなくて、結果的に。

 

 

 

どんな人材を育てたいか。そのために、どんな実習が必要か。そのために、どんな実習指導が必要か。目的論で、実習や実習指導を見直したい。

 

 

 

この想いを伝えたら、「それは、現実的ではない」と。

 

 

 

指導者が何を言いたいのか、指導者の心を探り、先生は何を求めているのか、先生が期待する自分になるには、どうするかを悩むことに、時間を費やし、十分な睡眠をとることなく、ぼんやりした頭で、患者と向き合う。けれど、いちばんのフォーカスは、目の前にいる患者ではなく、指導者や先生。本当は、看護を学びたい。全力で、患者と向き合いたい、と思っているはずなのに。

 

 

 

私に見える現実。この先、ナースとして活躍する学生たちが、この環境に置かれていること、学ぶ機会すら失っていることに疑問を感じます。この疑問は、非現実的なのか。それもまた、疑問。

 

 

 

そうすると、押し問答が始まりそうです。が、私は、その押し問答に参加しません。人は、それぞれ異なる考えがあるはずだから。賛同しても、反対しても、それは、あなたの自由であり、私の自由。

 

 

 

こんな表現を不快に思う人もいれば、おもしろいと思う人もいたり、なんとも思わない人もいるかもしれない。それも、また自由。

 

 

 

「自由とは、他者から嫌われることである」

あなたが誰かに嫌われているということ。それはあなたが自由を行使し、自由に生きている証であり、自らの方針に従って生きていることのしるしなのです。

 

ダイヤモンド社 岸見一郎、古賀史健 「嫌われる勇気」より

 

 

 

見えている現実が違えば、それを見て感じることも違うはずで。感じることが違えば、行動することも変わってくるはずで。行動が違えば、結果も異なるはず。

 

 

 

たったひとつの正解があって、それはどれかを決めようとするから、争いが起きる。正解は、ひとつじゃないのかも。この意識で、争いは、お互いの成長に変わる気がする。

 

 

 

どちらが正しいのか、ではなく、どちらが現実的なのか、でもなく、そこにある「現象」を、どう捉えるかの違いによって異なる解釈が起こる。ここ、本当に重要だな、と。

 

 

 

 

 

 

 

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