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実習がうまくいく学び方・教え方

03|「看護を学ぶ」「看護を教える」すべての人のための、看護実習お悩みQ&A

学生が看護診断するときネーミングの前に確認したいこと

 

 

 

 

 

今回、学生の看護過程を見ていて、なんとなくOKを出していたものに対し、病院指導者から疑問を提示され、私も調べたのですが、明確な回答を得られませんでした。


問題名「移動のセルフケア不足」です。

 

セルフケアは、食事・清潔・更衣・排泄とあります。移動の問題がある場合は、それに準じたものになると思うのですが、ゴードン分類をしていて、身体可動性障害というには、障害とはなんか違うかなともう時に、学生がよくつけてきます。私も質問されて、調べて適切でないなということで、学生に説明し、”身体可動性障害”のネーミングにして看護過程を展開してもらいました。


ローザン先生は、この”移動のセルフケア不足”聞いたことありますか?

 

 

 

学校によって、定義や診断指標、関連因子などから、当てはまる看護診断がないと判断したとき、オリジナルの看護問題を使ってもよい、としているところもあるようです。

 

 

 

どのような情報から、どのようにアセスメントしたのか、という内容がわかりませんので、想像する範囲で、ですが。私が思うに・・・

 

 

 

結論としての「移動のセルフケア不足」という看護診断、看護問題が妥当かどうか、ということとは別に、

 

 

 

どのようにして、その看護診断、看護問題にたどりついたのか。判断の仕方(方法)が重要になってくるように思います。

 

 

 

看護診断というのは、アセスメントをした結果と、診断指標、関連因子、危険因子などを照らし合わせて、該当する診断指標、関連因子、危険因子などがある場合、その看護診断が、対象に当てはまると判断する、ということだと認識しています。

 

 

 

結論としての看護診断が妥当かどうかは、< どのように判断して、その結論になったのか >という、前半の< どのように判断して >の部分がカギになると思います。

 

 

 

「身体可動性障害というには、障害とはなんか違うかなともう時に、学生がよくつけてくる」

 

 

 

「なんか違う」というのが、看護診断名、名前だけから判断しているのか、定義の内容だけから判断しているのか、十分な情報のもと、診断指標や関連因子、危険因子などと照らし合わせたうえでの、「これには当てはまらない」なのか。

 

 

 

現在、どのように判断しているのか、結論を出しているのか、どのような意図でその看護診断、看護問題名になってのか、などによって、指導の内容は違ってきそうです。

 

 

 

「移動のセルフケア不足」と表現した場合、移動のセルフケアに含まれる行為というのは、かなり幅広いことが想像できます。

 

 

 

何をさして、移動のセルフケア、といっているのか、ここにアセスメント(判断の詳細)を確認できるように思います。

 

 

 

この看護診断を使ってよい、使ってはいけない、ということではなく、使う場合に満たしておかなければいけない条件は何か、それが満たされない場合は、この看護診断は当てはまらない、といった具合に、「判断の仕方」を指導することが重要になるかと感じます。

 

 

 

↑この基準が明確になることで「なんとなくOKを出す」ことを防げるように思います。

 

 

 

私も、看護診断に関して、まだまだ勉強中の身です。看護診断にまつわる学生への指導で悩むことも多くあります。看護診断や、看護診断、看護過程のセミナーや勉強会などで、指導者である私たちがエキスパートから学ぶ、ということも大切だと感じています。

 

 

 

 

 

 

 

<関連情報を探してみました>

 

2つの診断がよく似ている場合、どう診断すれば良いのか?より正確な診断はどちらか、どうすればわかるのか?

 

 

医学書院 NANDA-Ⅰ 看護診断 定義と分類 2015-2017 第10版 第5章「よくある質問」P116

 

 

 

適切な看護診断が見つからない時は、どうすれば良いですか?

 

日総研 長塚智子 監修・執筆 看護過程の展開と指導 よくある”つまずき”を事例で読み解く!P174

 

 

 

 

 

 

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