周手術期の紙上患者事例で看護過程をするときの準備のコツ
ずばり、
情報を表にまとめる。
これに限ります。
先日、周手術期の患者さんの事例のアセスメントのサポートをしていたときに、ちょうどこの話になりましてね。
周手術期の紙上患者さんの場合、患者さんの情報が、時期別に山ほどあります。
・入院前の情報
・入院したときの情報
・手術前の情報
・手術直後の情報
・術後1日目
・術後2日目
・
・
・受け持った日(例えば、術後5日目) など。
これらを全部書き出して、時期別にアセスメントするのも、間違いではありませんが、結局のところ、判断したいのは、【現在の患者さんの状態】です。
現在の患者さんの状態を判断するために、時期別(点)ではなく、現在までの経過(線)で状態を把握するとよいです。
情報として配布される用紙には、文章で情報が書かれていることが多いです。
例)術前の血圧はいくつで、患者さんはこんなことをおっしゃっていて、血液検査の結果はこんな感じで、手術前日は、バイタルサインはこんな感じで、症状はこれとこれを確認できていて、患者さんはこんなことをおっしゃていて。手術はいつの何時から、何時間ほど、全身麻酔で行われて、術中はこんなことがあって、これは安定していて。術直後は・・・
という具合に、文章で書かれている情報を、表にまとめるといいです。こんな感じに。
上の図は、乳がんの紙上患者事例(右乳房温存術+リンパ郭清)の一例で、術前から術後までの経過を表にしたものです。
項目ごとに、どんなふうに経過していて、結果いま現在はどんな状態なのか、が一目瞭然です。
表を作るのに、時間がかかる、と感じるかもしれませんが、情報が示されている用紙は、いろんな色のアンダーラインだらけで、結局なにがどこに書かれているのか、かえってわかりにくいことって、ありませんか。
どこに何が書かれているのかがわからないと、結局全部の文章を読み返すことになります。っで、初めて「あ、そうそう。ここだった」と。それを何度も繰り返していたら、どれほどの時間を使うことになることか・・・。
明らかに、私はめんどうくさがりです。笑
なので、できるだけ「二度手間」を減らしたい、といつも考えています。(思うようにいかないこともありますけども・・・)これも、そのひとつです。
経過がわかるって、アセスメントをする上で便利です。
3回分、5回分ぐらいの情報であれば、がんばって5回分のアセスメントができるかもしれません。
でも、長く入院されている患者さんを受け持ったとき、何十日分もの情報をもとに、何十回とアセスメントするわけにはいきません・・・し、その必要はありません。
大事なことは、< 経過を把握すること>
どんな経過をたどっての、「今現在」なのか。
このことを把握しやすくするために、表を使って情報をまとめる方法はおすすめです。
また、関連のある情報は近くに並べると、より便利。
例えば、
・呼吸回数
・酸素飽和度
・呼吸音
・痰
という関係のある項目は、わざと近くに並べています。
呼吸音を聴取したときに、雑音が聞かれたとしたら、痰かもしれない。痰を十分に出せないと、呼吸回数や酸素飽和度に影響があるかも、と言った具合に、近くに並んでいることによって< 関係 >を見つけやすくなります。
関係が見つかる、ということは、アセスメントのヒントになる、ということです。
これ、文章が並んでいるだけの情報だと、関係を見つけるのはむずかしいんですね・・・。
ちょっとした準備ですが、その後のアセスメントの手間がぐっと減ります。お試しあれ。
周手術期のアセスメントについて、>>>こちらを参考になさってみてください。