血液検査の微妙な値アセスメントに使う?使わない?
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
限られた時間、必要ないものは、バサバサを切り捨てて、進んでいきたいですよね。その気持ち、わかります。笑
総蛋白に限らずですが、どんな血液検査の結果の場合でも、「異常(逸脱)の程度が微妙」であっても、アセスメントには使ったほうが良いです。
なぜなら、その値を読み取る、ということをしないことには、その値が、そこでのアセスメントをする上で、必要かどうかを判断できないことがあるから、です。
では、値を読み取る、とは?
ポイント1;何が影響して、その値になっているのか。
この点を確認できることで、この疾患で、この治療や処置をしている、この発達段階の方の場合、注目すべきかどうかを判断しやすくなります。
その値が「基準値より低い」ということがわかった後、なぜ、そのように低くなっているのか(分析)ということを確認することになります。>>>手順について、くわしくは「分析をするときの5つの視点」をご覧ください。
現在の状態に影響する原因・要因が考えられるとき、その値は無視できない、ということになります。
ポイント2;関連する他のデータ(情報)との関係はどうか。
総蛋白という値の場合、ゴードンの枠組みにあてはめると、主に栄養・代謝パターンで扱います。栄養・代謝パターンの他のデータ(情報)と照らし合わせて、関係はなさそうかどうか。
関係がある、もしくは関係がありそうな場合は、その値を扱う必要がありそうですね。
ポイント3;どのような推移になっているか。
「微妙に低い」と判断した値が、最新の値だった場合、それ以前は、どのような値になっていたか。以前の値と比べてみて、今扱っている値が何を意味しているのかを考える、ということです。
下がっている途中の「まだ、高い」なのか、ずっと基準値内だったのが、「基準値より高くなった」なのか、によって解釈も変わってきます。
ポイントは、1つの値を単独で見て、それを扱うかどうかを判断しないこと、です。
おまけ;逆に聞かれる。
ポイントになるかどうか、わかりませんが。苦笑
「逆に、なんで、微妙な値だと、アセスメントしなくていいんですか?」と聞き返される、ということがあるかもしれません。
突っ込まれることを、予防しよう、という話ではなく、突っ込みどころのある質問だ、ということに気付くことが大切。微妙だとはいえ、基準値よりも低い、ということに触れない=少しなら大丈夫、のような考え方のくせがあるのかもしれません。
「少し」「微妙」といっても、それがどれほど体に影響するのか。
そもそも、その値は「少し」「微妙」な異常だと判断する値なのか。
↑ここ、意外に落とし穴です。
大事なことは、微妙な値をアセスメントに使うかどうか、という結論ではなく、使ったほうが良いと考える場合も、使わなくても良いと考える場合も、なぜ自分はそう判断したのかという「裏付け」があることです。
多分ですが、私の想像ですが、「総蛋白の値が微妙に低いんですけど、アセスメントで扱ったほうがいいですか?扱わなくてもいいですよね」という場合、扱わなくてもいいと考えた何かしらの理由があると思うんですね。今回、たまたま含めなかっただけで。
その場合、扱ったほうがいいかどうかを相談するとき「扱わなくてもいい、と考えた理由」も添えるといいです。
「そう考えた理由」から、結論を出すまでの「考え方」を確認できます。
その考え方が妥当かどうか、ということがわかると、次回から他のケースでも、「その考え方」で判断ができるようになります。
値を読み取るとき、1以上の差だったら、アセスメントに使う、のような、数字で確認できる基準は、残念ながらありません。ので、その都度、患者さんの状態、状況と照らし合わせながら、判断していくことになります。
そもそも、上の図で言うところの「考えたこと」自体の内容がない場合は、「判断する方法がない」わけなので、こうした微妙な値に出会うたびに、誰かに相談して答えをもらうことになります。(毎回誰かに答えをもらいながら、判断の傾向を知る、というパターンもありそうですけどね)
ちなみに、「低い」と判断したことは、すでにアセスメントを始めていることになります。^^
数字は、数字のままでは、ただのデータですが、それを読み取ることで、初めて患者の状態把握に役立ちます。
基準値との差の程度ではなく、数字を読み取ることで、その意味、必要性を判断することが、アセスメントする=対象の状態を判断する、ということになります。
ゴチャゴチャ言いましたが、結論は「微妙な値も、まずは解釈・分析してみよう」です。^^
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