ヘンダーソンのニード論で看護アセスメントをするとは:ニードと看護の関係
ヘンダーソンのニード論では、人間について、以下のように捉えています。
・健康な対象に対する人間観:人間は呼吸、食事、排泄など、14の基本的欲求に基づく生活行動を、自分のもつ体力、意志力、知識により、自立して充足できる全体的な存在である。
・病人に対する人間観:”基本的欲求を変容させる病理的状態”、および”基本的欲求に影響を及ぼす常在条件”により、患者自身のもっている体力、意志力、知識の不足をもたらして、基本的欲求に基づく人間の生活行動に変容をきたしている存在である。
人間と14の基本的欲求(ニード)の関係
人間というのは、14の基本的欲求をもっていて、その人が十分なだけの体力、意志力、知識をそなえていると、自分で14の基本的欲求を満たすことができる(1)。けれど、体力、意志力、知識が十分でないと、14の基本的欲求は自分で満たすことができない(2)。ということ。下は、イメージ図です。
(1)
(2)
基本的欲求(ニード)が未充足になるしくみ
人間は、14の基本的欲求を持っていて、その人にとって十分な体力、意志力、知識をもっていると、自立してそれらの基本的欲求を満たすことができます。が、体力、意志力、知識が不足していると、その人自身によって基本的欲求を満たすことができません。
どんなときに、体力、意志力、知識が不足するのか、というと、2つのことが影響するとされています。
1、常在条件
2、病理的状態
これらのことが影響して、体力、意志力、知識が不足したとき、基本的欲求が満たされない、というわけです。
基本的欲求(ニード)と看護の関係
看護師の独自の機能は、病人であれ健康人であれ各人が、健康あるいは健康の回復(あるいは平和な死)に資するような行動をするのを援助することである。その人が必要なだけの体力と意思力と知識とをもっていれば、これらの行動は他者の援助を得なくとも可能であろう。この援助は、その人ができるだけ早く自立できるようにしむけるやり方である。
出典:看護の基本となるもの
14の基本的欲求を満たすのに、十分なだけの体力、意志力、知識を、その人が持っていないとき、それらが足りないことによって、その人がするであろう生活行動を行うことができません。ここで、その人がその人にあった生活行動をするのを手助けすることが、看護師の役割である、ということです。
体力、意志力、知識のうち何がどれほど不足しているのか、また不足の原因は何かを探ることで、どのように手助けをすると良いのかを判断できます。→これが、ヘンダーソンのニード論で看護アセスメントをする、ということです。