看護過程で情報の収集と分類が終わったら次は何をする?
患者さんにまつわる情報を集めて、集めた情報の分類が終わったら、分類先で情報を読み取っていきます。
「情報を読み取る」とは
情報を読み取るというのは、正常か異常かを判断する、または異常になる可能性があるかを判断する、ということです。
正常か異常かを判断するには、「判断の基準」が必要です。判断の基準と、情報とを照らし合わせて、この情報は正常、この情報は正常ではない(異常である)という具合に整理をしていきます。
ここでいう「判断の基準」は、ひとつではありません。わかりやすいのは、バイタルサインや検査結果などの基準値ですね。いくつから、いくつまでは基準値内、という目安と、患者さんのバイタルサインや検査結果とを比較すると、正常・異常を判断できます。
ほかにも、標準や平均、一般的だとされていること、入院前や発症前、治療前などを判断の基準とすることがあります。
こうした判断基準と、患者さんにまつわる情報とを比べて、正常だと判断できる情報と、正常ではないと判断できる情報とを分けます。
すると、多くの場合、正常ではないと判断した情報に、必要な看護を見極める手がかりがあることに気づくでしょう。
なんのために「情報を読み取る」のか
『POSをナースに』の中で中木先生は、正常・異常の判断について「情報1つ1つについて吟味する」と表現されています。次いで、
こうして吟味するためには、<健康>の概念や<健康>を害する因子(病因や発病機構、あるいはストレッサー、焦点刺激)に関する知識が必要となります。
<健康>とは何かを説明するのは、とてもむずかしいことです。話せば話すほどウソっぽくなります。でも、あなたが小さいときから持ってきた、「健康ってこういうもんなんだ」というイメージで判断しても、大きな間違いはないと思います。
と述べられています。
最初から、指導者が感動してため息が出てしまうような、完璧な判断ができなくても、問題ありません。経験を重ね、知識が増えることで、適切な判断ができるようになります。
看護を学んでいる途中の今は、自分の持つイメージにも頼りながら、様々な基準を使って、正常・異常を判断していきます。
大事なことは、正しく判別ができるかどうか、ということよりも、必要な看護につながる手がかり(情報)に気付けるかどうか、です。情報を読み取るねらいは、ここにあります。
必要な看護につながる手がかりに気づくためには、「なぜ、その情報を異常だと判断したのか、その理由」がカギになります。
・基準値よりも低いということは、なに?
・発症後に食事摂取量が減っているということは、なに?
・入院前よりも、排便の間隔が長くなっているということは、なに?
アセスメントのゴール
こうして、情報を1つ1つ読み取っていくと、必要な看護につながる手がかりが集まって、必要な看護の輪郭が見えてきます。
↑ここが、アセスメントのゴールです。必要な看護はこれなんじゃないかな〜、という仮の看護問題をあげること。
ということは、アセスメントという作業を終えたときに、手元にあるものは、
1、仮の看護問題
2、それが仮の看護問題だとした裏付け(理由);情報を読み取った結果
言い換えると、この2つがそろえば、アセスメントはひとまず完了ということです。
んが、アセスメントを「書く」には、続きがあります。少し長くなりましたので、続きは別の記事で。→別記事書きました。>>>アセスメントを書く前に。