受け持ち患者さんのポイントとなる看護アセスメントを見つける方法
受け持ち患者さんに必要な看護につながるアセスメントを、「ポイントとなるアセスメント」とするとき、それを見つけるために必要なことは、受け持ち患者さんに必要な看護について「目星をつける」ことです。
では、どのように目星をつけたらいいのか、というと、「疾患の看護」を使います。
なんのためにアセスメントをするのか
アセスメントというのは、対象の状態を判断することを言います。
なんのために、対象の状態を判断するのか、というと、必要な看護は何かを判断するため、です。
栄養が足りていない状態、だということがわかれば、栄養が足りる状態になるための看護が必要だ、ということを判断できます。安全に歩行ができていない状態、だということがわかれば、安全に歩行ができる状態になるための看護が必要だ、ということを判断できます。
ということは、「ポイント」となるかどうかの基準は、「必要な看護を判断できるかどうか」になります。
アセスメントをする「前」に必要な看護を見つける
誤解を恐れずにいうと、ポイントをおさえてアセスメントをするカギは、必要な看護はこれだろうと「仮説を立てる」ことです。
「仮説を立てる」というのは、なんとなくテキトーに看護を選ぶ、ということでは、ありません。その看護が必要になるだろうと仮説するには、それなりに裏付けがあります。
言い換えると、十分なだけの裏付けがあれば、妥当な仮説になる、ということです。
アセスメントをする前に、必要な看護はこれかもしれない、と仮説を立てることに対して、「アセスメントをする前から、そんなふうに決めつけてはいけない」と言われることがあります。
おっしゃる通りで、「決めつけ」てはいけません。注目したいのは「仮説である」という点です。十分な裏付けはそろえたけれども、結果としてそれかもしれないし、それではないかもしれない、ということです。
仮説を立てる、言い換えると、看護診断で言うところの、200以上もある看護診断(看護が必要な状態)のうちの、どれが受け持ち患者さんに当てはまりそうなのか、可能性の高いものを精選する、ということです。
可能性の高い看護診断の見つけ方
「疾患の看護」を使います。
ポイントをおさえたアセスメントをする、ということは、受け持ち患者さんの特徴をおさえたアセスメントをする、ということです。これが、ずれることなく、浅くなることなく、偏ることなく、個別性のあるアセスメントをするときのカギです。
っで、受け持ち患者さんの特徴のうちのひとつが「疾患」ということです。
受け持ち患者さんが、心不全の場合、心不全を患っている場合に生じやすい健康状態、というのがあります。
- 心機能が低下していることで、わずかな動作で息が苦しくなりやすい、とか
- 肺に水が溜まることで、仰臥位だと苦痛が増す、とか
- 利尿薬を使用することで、トイレの回数が増えて疲れやすい、とか
肝硬変でなく、糖尿病でもなく、心不全だからこそ、起こりうる健康状態の変化があります。それが、心不全の患者さんの場合に、おさえておくべきポイント=アセスメントのポイント、になります。
なぜなら、その健康状態の変化に対して、看護が必要になることが多いからです。
っで、ここでいう「健康状態の変化に対して、必要な看護」というのは、例えば心不全の場合「心不全の患者の看護」という名前で説明されることが多いです。それは、私たちが新たにアイデアを出すことなのではなく、一般的にはこう言う看護が必要だとされています、というものが、教科書や参考書にまとめられています。
それを「仮説を立てる」のに拝借しよう、ということです。
教科書には、心不全の患者さんの場合、心機能の低下から生活に必要な動作ができないことがある、ので、心臓に過剰な負荷をかけないような生活動作ができるよう支援する必要がある(看護)とあったとします。
受け持ち患者さんも、心不全で、心機能の低下を認めている場合、↑この看護が、受け持ち患者さんにも当てはまる可能性がある、ということです。
こうして確認した「一般的に必要だと言われている看護」をもとに、その看護が必要である、というアセスメントは、どのカテゴリーに関連するだろうか、を確認すると、ポイントとなるカテゴリー=看護問題が上がるであろうカテゴリーを確認できる、というわけです。
今回の例の場合ですと、ゴードンの場合は、活動・運動パターン。ヘンダーソンの場合は、呼吸のニード。NANDAの場合は、活動・休息 になります。
<まとめ>
受け持ち患者さんの場合の、ポイントとなるカテゴリー(パターン、ニード、領域)を見つけるには、「疾患の看護」を手がかりにする。
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