看護実習で行動目標を立てるときの基本形
看護過程を展開する実習で、看護計画を立てた後の時期にあたる行動目標は、基本的に、「看護目標を達成するために、本日何をするか」になります。
日々の行動目標というと、文字の印象から、毎日のゴールをその都度考える、というイメージがあるかもしれません。
ゆえに、「明日の行動目標、なんにしよう?」と毎日考えることになり、毎日となるとネタもつきてくるので、思いつくまでに時間がかかる。これが「行動目標を立てるのが大変」なからくりです。
誤解を恐れずに言うと、実習での「毎日の行動目標」は決まっています。
毎日の行動目標とは、「実習目標を達成するために、本日すること」です。
中でも、看護過程を展開する実習では、看護過程を展開できることが実習目標のひとつになっています。看護計画を立てた後は、看護計画を実施して、看護目標を達成することが、実習目標を達成するということです。
つまり、看護計画を立てた後の、毎日の行動目標は、「看護計画を実施すること」になるはずです。
ただ、ひとつ注意したいのは、看護計画にあげたものを「やりました」という結果があればいいのか、というと、そうではありません。
看護計画の実施には、「看護目標を達成する」という目的があります。
ので、看護目標を達成するための実施である、ことが重要です。
となると、毎日の行動目標は、こうなります。
実際には、「それって、なに?」を、自分の事情に合わせて表現することになります。
たとえば、転倒予防のための看護計画を立てて、ベッドサイドで筋力アップのための運動をする場合、「転倒予防のために、ベッドサイドで筋力アップのための運動を行う」
ほかにも、健康管理の学習のための看護計画を立てて、健康管理の指導を予定している場合、そのための準備として、これまでの健康管理方法について確認をするというとき、「入院前の健康管理の状況を把握するために、これまでの健康管理方法について患者から話を聞く」
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実習でいうところの、毎日の行動目標を立てるというのは、本日のゴールを新たに決めるというよりは、本日行うことを改めて確認するということです。
行動目標が「ずれている」と指摘されることがあるとしたら、ひょっとすると「看護計画」との関係がずれていることを指摘されているのかもしれません。
看護計画を立てて以降の、毎日の行動目標の基本形は「看護目標を達成するために、本日何をするのか」です。
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