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03|「看護を学ぶ」「看護を教える」すべての人のための、看護実習お悩みQ&A

看護アセスメントの「分析」って何を書くの?

 

こんにちは、ローザン由香里です。

 

 

朗報です。

 

 

 

先日、看護アセスメントの「解釈」って何を書くの?という記事をご案内しました。

 

 

 

解説しながら、解説するのがむずかしいというか、ややこしいというか、これは、解釈とは何かを文字で説明されたものを読んで理解するよりも、できあがりの「解釈」をみて、そういうものなんだと、感じてもらえればいいかな、というのが正直なところです。

 

 

 

というのは、解釈とはなにかを言葉で説明できても、解釈という作業ができないと意味がありません。解釈自体を、人に説明できる、ということがゴールではないので、まずは、解釈したものと、解釈していないものを比べて、そこに違いがあることがわかる、を目指してみました。

 

 

 

とごちゃごちゃ言いましたが、こんな解釈に比べて、「分析」は、イメージしやすいです。

結局のところ、何をすればいいのか、もわかりやすいと思います。

 

 

 

では、本日のお題「分析」について。

 

 

 

 

分析とは

 

 

  1.  複雑な事柄を一つ一つの要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること。「情勢の分析があまい」「事故の原因を分析する」

  1.  哲学で、複雑な現象・概念などを、それを構成している要素に分けて解明すること。⇔総合

  1.  物質の組成を調べ、その成分の種類や量の割合を明らかにすること。

goo辞書より

 

 

 

 

まさに、1、であげられている例が、そのまま、アセスメントにおける分析にあてはまります。原因を分析する、これです。

 

 

 

看護過程におけるアセスメントでおこなう「分析」というのは、何がどう影響して、その状態、その状況になっているのか、原因を探る、ということです。

 

 

 

 

 

原因を探るときの注意点

 

 

看護過程におけるアセスメントをするとき、いちばん最初のステップとして、情報を集めます。アセスメントというのは、情報を解釈・分析することで、現在はどのような状態なのか=看護介入が必要な状態なのか、を判断します。

 

 

 

ということは、「アセスメントの材料となる、情報がある」ということが大前提になります。

 

 

 

細かいことは抜きにすると、集めた情報それぞれに対して、なぜそういうことになっているのか、を探る、確認する。これが、分析する、ということです。

 

 

 

例えば、ゴードンの枠組みで情報整理をする場合、健康知覚・健康管理パターンの枠に、いくつかの情報がわけられます。同じように、栄養・代謝パターンの枠に、それに関連する情報がわけられます。排泄パターンにも、活動・運動パターンにも、他のパターンにも、それぞれ関連のある情報がわけられます。

 

 

 

栄養・代謝パターンを例に挙げてみます。

 

 

栄養・代謝にまつわる情報を集めて、それらを解釈したところです。

 

 

 

解釈によって、十分な栄養を摂取できていない、ということを確認できたわけなんですが、「分析」では、なぜ、「十分な栄養を摂取できていないという状態になっているのか」これを確認します。

 

 

 

ここで注意したいのは、「なぜだろう?」「なぜなんだろう?」と、自分の頭の中だけでがんばって、考えないことです。

 

 

 

がんばって考えてもいいんですが、実際に影響していると考えられる原因や要因は、私たちが思っている以上に、複雑であったり、思っている以外のところにあったりします。

 

 

 

考えて浮かんでくること、というのは、知っていること、これまでに経験したこと、などです。だとすると、知っている範囲での答えしか出せないことになります。

 

 

 

例えば、患者さんが熱を出している原因を教えてもらった時「そんなことが原因で、熱があることがあるんですね〜」という初耳な発熱の原因は、自分の知っている範囲で考えようと思ったら、まず浮かんでこないのが普通です。

 

 

 

ということを知っておくと、調べずして答えを出す、という大胆な行動にはならないはずです。

 

 

 

なぜ、改めて調べるということをしてまで、分析という作業が必要なのか、という理由は>>>こちらから。

 

 

 

では、次に、どんなふうにして、原因を探っていくといいのか、どんなことを調べればいいのか、についてお伝えしていこうと思います。

 

 

 

 

 

原因を探るときのヒント

 

原因になりうる事柄には、いろいろありますが、中でも代表的なものをまとめてみました。

 

 

 

 

・主疾患との関係

・治療との関係

・既往歴との関係

・発達段階の特徴との関係

・心理状態との関係

 

 

 

 

先ほどの例を使うなら、「十分な栄養を摂取できていないという状態になっている」原因・要因を探るとき、上の5つの事柄との関係がないかどうかを確認する。上の5つの事柄(のうちのどれか、またはいくつか)が、この状態を引き起こす原因・要因になっていないかを確認する、ということです。

 

 

 

この作業;分析、が十分にできていないとき、「アセスメントが浅い」という指摘を受けることがあります。

 

 

 

アセスメントが浅い、と言われたときには、現状を引き起こしている原因・要因として、考えられるものが上がっていない、ことが多いです。上の5つの視点で、確認してみるといいかもしれません。

 

 

 

5つの視点について、もう少しくわしく説明した記事は、>>>こちら。

 

 

 

スムーズに分析をするためのコツとして、解釈という作業を終えて、分析という作業に移る「間」の段階で、解釈した内容を整理する、といいです。

 

 

 

解釈した内容を整理する、というのは、解釈した情報どうしの因果関係を確認する、ということです。イメージとしては、下の図のような感じです。

 

 

 

 

これをすることで、結局のところ、根本的に何が影響して、現在のような状態になっているのか。何について確認すれば、根本を知ることができるのか、などを確認しやすくなります。今回の例の場合ですと、「そもそも、なぜ食欲がないのか?」ですね。

 

 

 

何が影響して、何が起こっているのか、この関係がわかる、ということは、必要な観察項目がわかることにもつながるといえます。

 

 

 

栄養している因子(原因・要因)が変化すれば、それによって引き起こされている現状も変わるだろう、として観察ができる、ということですね。

 

 

 

また、文章にしてまとめるときの、並び順を考えるのもラクになります。結局のところ何が原因でこれが起きて、何が原因でこれが起きて、と考えられる、のような感じで、内容が行ったり来たりすることも防げます。

 

 

 

「分析とは、原因を探る(考える)ことです」この説明だけでは、何の原因を探ればいいのか、どうやって探ればいいのか、がわからず、実際に動けないとき、今回の記事を参考にしてみてください。^^

 

 

 

 

・看護過程におけるアセスメントでおこなう分析とは、そのような状態、状況になっている原因・要因を探ることをいいます。

・「そのような状態、そのような状況」というのは、情報が示している現象を指しています。

・原因や要因を探るとき、5つの視点をヒントにするといいです。

・5つの視点をヒントに分析をする前に、解釈した内容を整理しておくと、分析の作業がスムーズになります。

 

 

 

 

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