こんなこともわからないなんて看護師に向いてない!?
指導者の周りに数人の学生さん。あなたも、そのうちの1人。
ある学生さんが何かを質問しています。指導者の説明を聞きながら、その学生さんは何かが腑に落ちたようで「あ!そういうことなんですね!」と、表情がパッと明るくなる。
その一方で、周りにいたあなたはというと・・・「指導者さんの説明が全然わからない・・・。頭がいい人はいいなぁ。こんなこともわからないなんて、看護師に向いてないのかも」と落ち込んでいる・・・のだとしたら、本日の記事はあなたへ、です。
大切なことをお伝えします。
この先、あなたが、患者さんに何かを説明するとか、指導をするというときに、きっと役に立ちます。
学生Aさんは腑に落ちて、あなたは説明の内容が理解できなかった理由。それは、指導者は、質問を投げかけた学生Aさん(の事情・理解度・反応など)に合わせて説明をしたからです。どういうことかというと、学生Aさんにわかりやすいように説明をしたからです。
何かがわからないとか、何かができないとか、ある課題があって、結果としてそれがクリアできないとき、つまづいている学生さんの数だけ、つまづきポイントがあります。
例えば、手動で血圧を測定するとき、マンシェットがうまく巻けないというとき、「うまく巻けないときは、マンシェットの端をこう持つようにしましょう」と実演付きで具体的な指導をもらったとします。それで、うまく巻けるようになる人もいれば、変わらずうまく巻けない人もいます。
なぜ、具体的な指導なのに、みんながうまく巻けるようにならないのか。うまく巻けない理由が、みんな一緒ではないからです。
わかるようになるためにすべきこと、できるようになるためにすべきこと、というのは、人によって異なります。すぐにわかる人が優れていて、わかるのに時間がかかる人が劣っているわけではありません。「わかり方」は人によって、様々だという話です。
なぜなら、これまでに学んでこと、経験したことが、それぞれ異なるからです。持っている知識も、考え方も学び方も、人それぞれに違うからです。
今回、指導者は学生Aさんのつまづきポイントをおさえた上で、学生Aさんに適した説明をされたのだと思います。例のアレです。個別性。笑 個別性のある指導をされたのです。
あなたには、あなたにあった習い方や学び方があると思います。患者さんも同じです。
丁寧に説明したからわかるはず?専門用語を使わなかったからわかりやすかったはず? 自分のものさしで相手の「わかり方」を決めつけてしまわないことって大切です。患者さんと対話しながら、患者さんにあった説明や指導をしていきたいですね。