考えないで看護目標を立てる方法
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
「目標」という表現がいけないんですかね。
「目標」というと、今年の目標とか、実習の目標とか、自分の心の中から湧いて出てくるもの、みたいなイメージがあると、看護目標はほぼ間違いなくずれます。
なぜなら、看護目標は、頭や心の中から湧いて浮かんでくるものではないからです。
「考えないで」看護目標を立てる、というのは少し過激ですが、看護目標というのは「知恵をしぼれば浮かぶもの」ではない、ことは確かです。
という意味での「考えない」です。
うーんと唸って、時間をかけて考えていれば、出てくるものではありません。
看護目標というのは、看護問題が解決した状態、です。
転倒しやすい、ということが看護問題の場合、転倒しない、が看護目標。
間違った健康管理をしている、ということが看護問題の場合、正しい健康管理ができる、ということが看護目標。
つまり、看護問題があっていれば、必然的に看護目標は決まってくる、というわけです。
長期目標と短期目標
これで「長期問題」は解決するのですが、問題は短期目標。短期目標はちょっとむずかしい・・・
ことは、ありません。こちらも同じ。アセスメントができていれば、ずれることなく、患者さんにあった短期目標を設定することができます。
では、どのように短期目標を設定するといいのか?
アセスメントを使います。
ブログを初めて、かれこれ7年になりますが、私はなんぼほどアセスメントが好きなんでしょう。何回アセスメントと言ったかわかりません。笑看護過程は、アセスメントが命。そう言っても、過言ではないのです。
っと、話を戻して。短期目標。
短期目標というのは、文字の通り、長期目標よりも短い期間で、達成する目標になります。
短期目標の達成を繰り返していくと、結果長期目標を達成できる、という短期目標と長期目標の関係。
当然ですが、長期目標は、短期目標の延長線上にあります。
ということを、踏まえまして、短期目標を設定します。
例えば転倒リスク状態、という看護問題があがっているとき、転倒しやすい状況である、というアセスメントになっているはずです。
かつ、そう判断した根拠となる情報は何で、それはなぜ起こっているのかについても、アセスメントには書かれているはず。
もし、これが含まれていなければ、アセスメント自体を見直す必要があります。
ここでは、必要事項がふくまれている前提で。
・なぜ、↑このような状況になっているのかという原因
この2つを使って、短期目標を立てます。
短期目標の立て方の基本
例えば、転倒しやすい状況であると判断した根拠となる情報が、
・歩行するときに、体が患側(右)傾いて歩行が不安定だ
・右足に力が入らないので、歩行の時前傾になりやすい
みたいなことがあったとします。
っで、さらに、それらが生じている、それぞれの原因があります。では、ここでは「膝に痛みがある」ということが原因だとしましょう。さらに、痛み止めで痛みに対処しているとします。
というとき、短期目標の考え方は、こうです。
痛みが生じていないときに歩行することで患側への負担を減らし、歩行時の右への傾き、前傾姿勢を改善できる。
傾きの程度、前傾姿勢の様子などによって、表現はさらに具体的にすることが可能です。
が、考え方の基本はこれです。
・転倒しやすい状況を作っている原因がなくなったり減ったりすることで
・転倒しやすい状況であると判断した根拠となる情報が示している事柄が、こんなふうに良くなる
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看護計画には、↑こうなるには、どうしたらいいのか、という内容が含まれることになります。
看護目標を立てるとき、自分の経験だけを頼りに、目標を絞り出そうとしないこと。
アセスメントを見ながら、必要なことを拾っていけば、看護目標はかならずたてることができます。
かならず、手元にアセスメントを置いて、看護目標を確認しましょう。