top > 実習がうまくいく学び方・教え方 > ずれている看護アセスメントの共通点

Learning & TeachingThe Third Period

実習がうまくいく学び方・教え方

03|「看護を学ぶ」「看護を教える」すべての人のための、看護実習お悩みQ&A

ずれている看護アセスメントの共通点

 

いつも、ありがとうございます。

ローザン由香里です。

 

library-898333_640

 

 

 

アセスメントとは、患者さんの状態を判断すること


患者さんの状態を判断する、という表現だけを聞くと、あいまいすぎて、具体的に何をするのかイメージしにくいかもしれません。

 

 

 


看護過程の一つのステップである、アセスメントをするとき、一般的に患者さんを部分的に捉えて、作業を進めます。

 

 


患者さんを部分的に捉える、とは?


患者さん全体の状態はどんな状態なのか、を判断するのではなく、栄養代謝という部分だけを取り上げて、その状態はどうかを判断する、ということ。

 

 


同じように、睡眠という部分だけを取り上げて、その状態はどうかを判断する。活動という部分、ストレスという部分、自己認識という部分、という具合です。

 

 


このように部分を取り上げてアセスメントをすることで、それに関する情報を絞ることができるため、作業がしやすくなります。

 

 


例えば、栄養・代謝パターンの場合、栄養・代謝に関係する情報をもとに、栄養・代謝の状態を判断する、ということになります。

 

 


では、「栄養・代謝の状態を判断する」というのは、具体的に何を判断するのか、というと、

身体に必要な栄養を摂取できているかどうかを判断する、ということです。

 

 


そのために、栄養を摂取する器官、代謝に関係する器官が正常に機能しているかどうかを判断する、ということも必要になります。

 

 


ので、結果として栄養が取れているかどうかを判断する食事摂取量や、総蛋白・アルブミンの検査結果以外に、嚥下や咀嚼、消化器官などの検査結果が、情報として必要になるわけです。

 

 

 

 

ずれないアセスメントにするために、もっとも大事なこと


それは、何について判断する(アセスメントする)のか、を正しく理解できていること。

 

 

 


今回の例の場合ですと、栄養・代謝パターンのアセスメントをする、ということは「身体に必要な栄養を摂取できているかどうかを判断する」ことだとわかっていること、がとても重要。

 

 


当たり前なのですが、これを確認できていないと、もれなく結論はずれます。

 

 


栄養・代謝パターンで、栄養・代謝に関係する情報をつかって、アセスメントをしているのに、なぜか結論が、栄養・代謝とは関係のない話になってしまう、ということが起こるのです。

 

 


本当に、頻繁に起こります。

 

 


食事に関係する情報として、食事をとっているときの患者さんの様子や発言について扱っていたら、だんだんと「麻痺があることで、食べることがストレスだ」みたいな話になり、「食事の動作によるストレスがある」という結論になってします・・・

 

 


これは、主張がまちがっているのではなく、栄養・代謝パターンでの結論として、まちがっている、ということです。

 

 


栄養・代謝パターン以外にも、どのパターンにおいても、そのパターンで何について結論を出すのか、何について判断するのか、は決まっています。

 

 


それについて判断ができない、それについての結論になっていなければ、まちがい=ずれている、ということになります。

 

 


何についてアセスメントするのか、これを私は「アセスメントの視点」と呼んでいます。

 

 


アセスメントの視点については、学校の看護過程の授業で配布されることが多いですが、もし配布されていない場合、以下の書籍でも確認できます。

 

ゴードンの場合



ヘンダーソンの場合

 

 


アセスメントの視点、となる部分だけでもコピーして、常に見えるところに貼っておいてほしいぐらいです。

 

 


このパターンは、これについて判断する。
このパターンは、これについて判断する。

 

 


これを、いちいち確認するだけで、ほとんどのずれは改善できます。

 

 

 

 

目先のことにとらわれる人は、目先の成果しか得られない

 

 

いちいち確認することの効果をお伝えしても、この張り紙を作るのが面倒なんでしょうね。。。効き目がないと思っているんでしょうね。。。

 

 


毎回ずれる人は、毎回書き直しをするめんどくささよりも、1回張り紙をつくるめんどくささのほうが、時間のムダだと思っています。

 

 


毎回ずれる人は、毎回書き直しをするめんどくささよりも、その都度アセスメントの視点をつかってずれていないかどうかをチェックすることのほうが、時間のムダだと思っています。

 

 


視野が狭い証です。。。目先のことしか見えていないがために、少しずつ時間をムダにして、気がつくと膨大な時間を損している、ということが起こります。

 

 


実習で、1分1秒をムダにしないためにも、今日、今からさっそく「アセスメントの視点」を確認して、自分の部屋の見えるところに貼ってください。

 

 


毎回確認することで、ずれ予防ができることはもちろんですが、何度も何度も目に触れることで、自然とパターンと視点をセットで記憶することになります。

 

 


覚えようとしなくてもいいです。必要なときに、すぐに見ることができるよう、貼っておいてください。

 

 


必要なときに、どこかにあったなぁ、この引き出しだったかな、あっちの教科書にはさんだかな、と探している時間も、もったいないです。

 

 


なんだか、張り紙の効果、みたいな話になりましたが、本日の話のポイントは、こちら。

 

 


ずれないアセスメントをするために、もっとも大事なことは「何についてアセスメントするのか」を確認してから、アセスメントの作業を始めること。

 

 

 

何についてアセスメントするのか
=何について判断するのか
=それは、何について判断することを指しているのか

 

 


ずれないアセスメントにするための条件は、アセスメントの視点を理解していること。

 

 


アセスメントをするときには、かならず「アセスメントの視点」を確認してくださいね。

 

 

 

 

 

PAGE
TOP