看護過程におけるアセスメントのやり方の基本(アセスメントの中身)
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
アセスメントをする、とは?
看護におけるアセスメントとは、「患者さんの状態を判断すること」をいいます。
例えば、栄養・代謝についてアセスメントをする、ということは、患者さんの栄養・代謝の状態について判断する、ということ。
他にも、排泄についてアセスメントする、ということは、患者さんの排泄の状態について判断する、ということ。
「状態について判断する」というのは、わかりやすくするために、少し乱暴にまとめてしまうと、良い状態なのか、よくない状態なのかを判断する、ということです。
栄養・代謝の状態は、良いとか、良くないとか。
排泄の状態は、良いとか、良くないとか。
「栄養・代謝は良い状態である」
「排泄は良くない状態である」
「●●は、こういう状態である」という結論になるのが一般的です。(文章の表現として、こうなる、ということではなく、考え方として、ということです)
ただ、実際には、良い、もしくは良くない、とはっきり区別できることは少ないです。
集めた情報のうちの、ある情報からは、「良い」と言えそうで、残りの情報からは「良いとは言えない」という場合もあります。
その場合は、これらの情報からは良い状態だと言えるけど、残りの情報からは良い状態だとは言えない、これが結論になります。どちらも含める、ということですね。
では、こうした結論にたどりつくために、どんな作業をするのか、というと、こちら。
アセスメントの中身は、3種類
アセスメントと呼ばれる作業の一般的な中身は、この3つ。
2、分析
3、予測
どれも、事実(情報)をもとに、作業をします。
情報=事実、と書きましたが、情報は、事実であって、事実以上でも、以下でもありません。
例)
- 血圧はいくつ。
- 患者さんはこんなふうに話していた。
- 浮腫がある。
- 食欲がない。
どれも「情報」として扱われるものですが、これらは「事実」そのもので、誰が見ても誰が聞いても、この事実に違いはありません。
ただ、これだけがわかっていても、患者さんに必要な看護を判断することはできません。
血圧がいくつ。だから、なに?その値は何を意味しているの?
患者さんはこんなふうに話していた。その会話は、何を意味しているの?
浮腫がある。それは、何を意味しているの?
食欲がない。それは、何を意味しているの?
良いの?悪いの?
これが、ひとつめの解釈・判断です。
解釈・判断する、とは?
情報が何を意味しているのかを確認すること。
例)
- 総蛋白が5.8g/dlってことは、何を意味しているのか?
- 食事を2割摂取しているってことは、何を意味しているのか?
- 食欲がないってことは、何を意味しているのか?
- 体重が減っているってことは、何を意味しているのか?
分析する、とは?
解釈・判断で扱った情報のうちの「気がかりな情報」について、なぜその状態になっているのか、要因を確認します。
例)
- なぜ、総蛋白が低いのか?
- なぜ、食事摂取が2割なのか?
- なぜ、食欲がないのか?
- なぜ、体重が減っているのか?
- 何が影響して、そのような状態になっているのか?
わかりやすく言うと「原因を確認する」というなのですが、「これが原因である」と断定できることは少ないです。
ので、原因として考えられることとか、その状態、状況を生じることになった要因(影響する、関係する事柄)として捉えると良いかと思います。
予測する、とは?
分析によって確認した事柄が影響して生じている「今の状況、今の状態」というのは、今後どうなると考えられるか?
要因によって、現状が起きているのだとしたら、要因の事情が変われば、もれなく現状は変わります。
ということを踏まえて、今の状況、状態はどうなりそうかを確認します。
これらの作業をすることで、患者さんの状態を判断できます。言い換えると、患者さんの状態を判断する=アセスメントをする、ということは、情報をもとに、このように3段階に掘り下げて、患者さんを捉えることをいいます。
これらは、それぞれ作業をすることそのものが、目的なのではなく、これらの作業によって、現在の状態を確認できることで、どんな看護介入が必要なのかを判断するための材料となります。
これらをしないまま、こういうケアが必要だ、こういう援助が必要だ、と看護計画を立ててしまうと、看護計画に「個別性」を出すことができません。
患者さんに必要なケアを、患者さんにあった形で行うためには、アセスメントという作業によって、現在の状態を適切に判断することが重要です。
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