top > 実習がうまくいく学び方・教え方 > 看護過程におけるアセスメントのやり方の基本(アセスメントの中身)

Learning & TeachingThe Third Period

実習がうまくいく学び方・教え方

03|「看護を学ぶ」「看護を教える」すべての人のための、看護実習お悩みQ&A

看護過程におけるアセスメントのやり方の基本(アセスメントの中身)

 

いつも、ありがとうございます。

ローザン由香里です。

 

 

medical-563427_640

 

 

アセスメントをする、とは?

 

看護におけるアセスメントとは、「患者さんの状態を判断すること」をいいます。

 

 


例えば、栄養・代謝についてアセスメントをする、ということは、患者さんの栄養・代謝の状態について判断する、ということ。

 

他にも、排泄についてアセスメントする、ということは、患者さんの排泄の状態について判断する、ということ。

 

 


「状態について判断する」というのは、わかりやすくするために、少し乱暴にまとめてしまうと、良い状態なのか、よくない状態なのかを判断する、ということです。

 

 


栄養・代謝の状態は、良いとか、良くないとか。
排泄の状態は、良いとか、良くないとか。

 

 


「栄養・代謝は良い状態である」
「排泄は良くない状態である」

 

 


「●●は、こういう状態である」という結論になるのが一般的です。(文章の表現として、こうなる、ということではなく、考え方として、ということです)

 

 

>>>ずれない結論の出し方について、こちらから。

 

 


ただ、実際には、良い、もしくは良くない、とはっきり区別できることは少ないです。

 

 


集めた情報のうちの、ある情報からは、「良い」と言えそうで、残りの情報からは「良いとは言えない」という場合もあります。

 

 


その場合は、これらの情報からは良い状態だと言えるけど、残りの情報からは良い状態だとは言えない、これが結論になります。どちらも含める、ということですね。

 

 


では、こうした結論にたどりつくために、どんな作業をするのか、というと、こちら。

 

 

 

 

アセスメントの中身は、3種類


アセスメントと呼ばれる作業の一般的な中身は、この3つ。

 

1、解釈・判断
2、分析
3、予測

 

 

 

 


どれも、事実(情報)をもとに、作業をします。

 

 


情報=事実、と書きましたが、情報は、事実であって、事実以上でも、以下でもありません。

 

 

例)

  • 血圧はいくつ。
  • 患者さんはこんなふうに話していた。
  • 浮腫がある。
  • 食欲がない。

 

 

 


どれも「情報」として扱われるものですが、これらは「事実」そのもので、誰が見ても誰が聞いても、この事実に違いはありません。

 

 


ただ、これだけがわかっていても、患者さんに必要な看護を判断することはできません。

 

 

 

  • 血圧がいくつ。だから、なに?その値は何を意味しているの?

  • 患者さんはこんなふうに話していた。その会話は、何を意味しているの?

  • 浮腫がある。それは、何を意味しているの?

  • 食欲がない。それは、何を意味しているの?

  • 良いの?悪いの?

 

 

 


これが、ひとつめの解釈・判断です。

 

 

 

解釈・判断する、とは?

 


情報が何を意味しているのかを確認すること。

 

 


例)

  • 総蛋白が5.8g/dlってことは、何を意味しているのか?
  • 食事を2割摂取しているってことは、何を意味しているのか?
  • 食欲がないってことは、何を意味しているのか?
  • 体重が減っているってことは、何を意味しているのか?

 

 

 

 

分析する、とは?

 


解釈・判断で扱った情報のうちの「気がかりな情報」について、なぜその状態になっているのか、要因を確認します。

 

 

例)

  • なぜ、総蛋白が低いのか?
  • なぜ、食事摂取が2割なのか?
  • なぜ、食欲がないのか?
  • なぜ、体重が減っているのか?
  • 何が影響して、そのような状態になっているのか?

 

 

 


わかりやすく言うと「原因を確認する」というなのですが、「これが原因である」と断定できることは少ないです。

 

 


ので、原因として考えられることとか、その状態、状況を生じることになった要因(影響する、関係する事柄)として捉えると良いかと思います。

 

 

 

予測する、とは?

 


分析によって確認した事柄が影響して生じている「今の状況、今の状態」というのは、今後どうなると考えられるか?

 

 


要因によって、現状が起きているのだとしたら、要因の事情が変われば、もれなく現状は変わります。

 

 


ということを踏まえて、今の状況、状態はどうなりそうかを確認します。

 

 

 

 

 

これらの作業をすることで、患者さんの状態を判断できます。言い換えると、患者さんの状態を判断する=アセスメントをする、ということは、情報をもとに、このように3段階に掘り下げて、患者さんを捉えることをいいます。

 

 

 

これらは、それぞれ作業をすることそのものが、目的なのではなく、これらの作業によって、現在の状態を確認できることで、どんな看護介入が必要なのかを判断するための材料となります。

 

 

 

これらをしないまま、こういうケアが必要だ、こういう援助が必要だ、と看護計画を立ててしまうと、看護計画に「個別性」を出すことができません。

 

 

 

患者さんに必要なケアを、患者さんにあった形で行うためには、アセスメントという作業によって、現在の状態を適切に判断することが重要です。

 

 

 

>>>看護計画につながるアセスメントを学べる教材は、こちらから。

 

 

 

 

 

 

 

PAGE
TOP