top > 実習がうまくいく学び方・教え方 > 本当は正しい看護より間違った看護を指摘する方がむずかしい

Learning & TeachingThe Third Period

実習がうまくいく学び方・教え方

03|「看護を学ぶ」「看護を教える」すべての人のための、看護実習お悩みQ&A

本当は正しい看護より間違った看護を指摘する方がむずかしい

いつも、ありがとうございます。

ローザン由香里です。

 

 

boxes-1834406_640-1

 

 

受け持ち患者さんが、こんな様子だったので、こういうケアを計画しました。すると、指導者さんから、患者さんにあっていないとダメ出しされました。今になっても、なぜあのケアがダメだったのか、実はよくわかりません。。。

 

 

 

 


学生なりに考えて立てたケアの計画が、「患者さんにあっていないから」という理由で、見送りになることって少なくありません。

 

 


患者さんの状態や状況にあっていないのなら、それは見送りになっても仕方がありません。

 

 


と、指導者側は考えがちですが、大事なことは、見送りになった理由を学生が理解できたかどうか、という点。

 

 


「患者さんにあっていないから」
その文字の意味はわかったとしても、

 

 


どこの何が、どんなふうに影響することが、患者さんにあっていないのか、それを理解できないと、学生は改善しようにも、どこをどう改善すればいいのかわかりません。

 

 


↑こうなると、何が起こるかというと、学生の動きが止まります。

 

 


何をどう考えればいいのかわからない。
ので、記録上、どこをどう直せばいいのかわからない。
直されないままの記録を見て、指導者はガッカリして、なぜやってこなかったのかを追及する。

 

 


という、生産性のない、お互いにとって成果を出さない結果になりかねません。

 

 


では、このケアの計画、見直してほしいな、というとき、どんなふうに対処すると良いのでしょう。対処するときの注意点について、まとめてみました。

 

 

 

 

 

自分(病棟)の考えと違うから間違い

 

 

という短絡的な判断は要注意。

 

 


普段、病棟で行われているケアと異なる、というだけで「間違い」だと判断するのはあまりに短絡的です。

 

 


普段、病棟で行われているケアによって、患者さんに成果が出ているとき、もちろんそのケアは正解です。

 

 


が、それ以外に正解なケアはないのでしょうか。

 

 

 

 

間違いだと判断するには、間違いであることを証明する必要がある

 


正解のケア、というのは、言い換えると、成果を出すことのできるケア。

つまり、看護目標を達成する、もしくは目標の状態に近づくケア、ということ。

 

 


間違いである、ということを証明するには、そのケアによって患者にとっての成果を出せないということを証明する必要があります。

 

 


「あなたのケアは患者さんにあっていない」と判断するとき、そこにはその判断の理由が必要だということです。

 

 


いつもの方法とは違うからといって、それが間違いだとは限らないのです。
正解が2つも、3つもある可能性があるのです。

 

 

 

 

 

結論ではなく、なぜそう考えたのかプロセスが大切

 


記録でも、行動でも、指導者は結論で判断してしまいがちです。

 

 


どう考えて、この考えになったのか。
どう解釈して、この行動になったのか。

 

 


何より、学生がどのように患者を捉えているのか、ここを確認することが重要です。

 

 


捉え方に不足や誤りがある場合、もれなく結論としてのケアもずれてくる可能性は高いです。


捉え方が妥当な場合、学生が考えているケアは成果を出す可能性があるかもしれません。

 

 


結論に至るプロセスがわかると、アプローチのポイントも判断しやすくなります。

 

 


その一方で、経過について確認することなく、最終的な結論だけで、正解・不正解を判断してしまうと、学生は「考える」ということをしなくなります。

 

 


言われた通りにすれ(直せ)ばいい、と感じるからです。

 

 


また、結論を否定されたということは、合わせて途中のプロセスも全部否定された=間違いだ、と解釈することで、どうしていいのかわからなくなるからです。

 

 


看護師として仕事をしていく上で、「考える」という力は必須です。

その力を持つナースが現場でも求められています。

 

 


どんなふうに考えて、どんな結論になったのか。
それを、指導者が意図的に聞き出すことは、学生の「考える」力を刺激することになるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

PAGE
TOP