看護実習でずれないアセスメントをするために
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
「アセスメントがずれてる」
実は、この「ずれてる」の中には、大きく分けて2つの「ずれてる」があります。
結論を書く場所がずれている
アセスメントを書く用紙、というのは、どんな枠組みでアセスメントをするのか、によって異なります。
ゴードンの場合は、機能的健康パターンが11種類に分けられています。ので、大きく分けると11個のアセスメントの視点がある、ということになります。
アセスメントの視点とは、「何についてアセスメントするのか」という、アセスメントをする上でのテーマのようなものです。(視点の解説について、おすすめの参考書は、↓こちら)
それぞれのパターンで、何についてアセスメントをするのか(結論を出すのか)は決まっています。
それぞれのパターンで集めると良い情報として、示されている情報を集めて、それらを解釈したり、分析したりすることで、そのパターンに分類される看護診断につながるようなしくみになっています。
なぜなら、ゴードンの枠組みというのは、看護診断から、その看護診断を導き出すために必要な情報は何か、と言う考え方で、それぞれのパターンで扱う情報が導き出されているからです。
ヌーベルヒロカワ ゴードンの機能的健康パターンに基づく看護過程と看護診断 第3版 編集 江川隆子 より
最新版は、第5班
というわけで、できあがったアセスメントの内容と、それぞれのパターンにおける、何についてアセスメントするのか(何について、結論を出すのか)とが異なるとき、「ずれてる」ということになります。
「ずれ」の見分け方としては、アセスメントの結論から、看護診断を導き出すとき、その看護診断が、どのパターンに属するのかを確認します。栄養・代謝パターンのアセスメントをして、その結果、栄養・代謝パターンに属する看護診断があがってくる場合、ずれていません。栄養・代謝以外のパターンに属する看護診断があがってくる場合、ずれている、ということになります。
言い換えると、アセスメントの結論を出した後、「っで、結局どんな看護介入が必要なのか」を考えたときに、そのパターンとは異なる看護介入になるとき、ずれている可能性が高いです。
例)栄養・代謝パターンのアセスメントをして、その結果の看護診断が、非効果的健康管理(健康知覚・健康管理パターン)とか、活動耐性低下(活動・運動パターン)とか。
アセスメントの作業をしている途中で気付けなかった場合は、作業が終わった後に、こんなふうにして確認すると良いです。^^
受け持ち患者さんの状態、状況とあっていない
受け持ち患者さんの状態、状況を踏まえると、この結論にはならないのでは?というパターンです。
言い換えると、アセスメントが、「患者さんの特徴」を踏まえた内容になっていない、ということ。
患者さんの特徴とはなにで、それを踏まえるとはどうすることなのか?について、そのうちの、代表的なものをあげてみます。
1、疾患と関連付けられていない
この疾患で、この状況の場合、こういうことが起こりうる。←この内容を正しく解釈できていないことで、現在の状態の判断が間違っている可能性が高いです。症状や、行われている検査、治療などによる影響を見直すと良いです。
例)全身状態の安定を図るために、安静が必要な時期に、患者さんの希望があるからといって、活動を促す必要がある状況だという結論になる場合、「全身状態の安定を図るために、安静が必要である」という解釈ができていない、つまり、患者さんの現在の状況と「ずれる」ということになります。
2、発達段階の特徴と関連付けられていない
あるパターンと、対象の発達段階の特徴とに関係があるけれども、そのことに触れられていない場合、ずれている、ということが起きることが多いです。
例)特に心疾患や呼吸器疾患がない、ので、循環動態、呼吸状態に問題がない、ではなく、老年期の場合、どんな呼吸器への影響があるのか、どんな循環器への影響があるのかを踏まえて、活動・運動パターンについてアセスメントする必要があります。
3、対象の特徴を示す心理状態を踏まえていない
入院、治療、症状などが、心理状態に影響しているとき(不安、ストレスなど)、心理状態の変化が生活に影響を及ぼすことがあります。アセスメントをする際には、身体的な側面だけでなく、心理状態と、それぞれのパターンとの関係について確認する必要があります。
4、性格、生活習慣などを踏まえていない
対象の性格や、生活習慣を踏まえて、対象の健康観、健康管理などを把握する必要があります。対象にとってのより健康的な生活を見極めるために、これらを考慮する必要があります。
いずれの場合も、患者さんの特徴として、取り扱うべき情報があるにもかかわらず、それらに触れられていないとき、「ずれている」と指摘されることが多いです。
ずれ防止チェックのタイミング
最終的な結論が、ずれないようにするために、前述した事柄について、少なくとも、2つのタイミングで確認をすると良いです。
1、アセスメントを始める前
2、アセスメントを終えた後
始める前は、意識付け。
終わった後は、確認として。
ずれないようにしよう、と意識しすぎると、アセスメントをしながら、ずれていないかを心配しながら、アセスメントを書きながら、直しながら、を同時進行することになり、効率が悪くなります。
ずれないためのポイントをチェックしたら、まずは、ずれを気にせずアセスメントをしてみる。
そして、アセスメントを終えた後に、ずれがないかどうかの最終チェックをする。
という方法で、確認ができると良いかな、と思います。
自分で「ずれ」に気づけないこともあるかもしれませんが、こういう視点で「ずれ」る可能性がある、ということを知っていると、「ずれている」ことを知らせてもらったとき、何の手がかりもなくて、途方にくれるということを防げることにもつながると思います。^^
2種類の「ずれ」
1、結論を書く場所がずれている
2、患者さんの状況、状態にあっていない
2、の内訳。代表的なものは、
・疾患と、十分に関連付けられていない
・発達段階の特徴と、十分に関連付けられていない
・心理状態を、十分に踏まえていない
・性格、生活習慣などを、十分に踏まえていない
ずれチェックするときの指標にしてみてください。^^
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