思い込みな看護計画にしないために
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
自分のアセスメントに対して、なんでこれが起きてるの?なんでこの症状が出てるの?とか、疾患のことで、突っ込まれることが多いです。医者でもないのに、なんで、症状の原因を知るとか、大事なんでしょうか。
アセスメントの中に、「分析」という作業があります。
なぜ、その状態になっているのか?
なぜ、その状況になっているのか?
など、情報(データ)をもとに、そうなっている原因・要因を確認します。
例えば、栄養についてアセスメントをするとき、
・食事摂取量、毎食2割
・食欲がない
・総蛋白6.0g/dl
・嚥下に時間がかかる
など、栄養の状態を判断する(アセスメントする)のに必要な情報(データ)について、分析するというのは、
なぜ2割しか摂取できていないのか、なぜ食欲がないのか、なぜ総蛋白が6.0g/dlと低いのか、なぜ嚥下に時間がかかっているのか、などを確認する、ということです。
この作業は、考えて思いつくものではないことが多く、疾患にまつわる教科書や参考書を使って、調べることになるため、これをする目的・理由がわからないと、「なんで、こんなことする必要があるの?」となるのも当然です。。。だって、必要がなければ、やらなくていいわけで。。。
という、分析なんですが、原因・要因を知ることと、看護とどんな関係があるのか、というと。
現状に対して、看護介入が必要である、と判断した場合、現状を改善するための看護計画(看護介入)が必要になります。
っで、現状を改善するための看護計画ってなにか?を考えるときに、参考にしたいのが「分析結果」です。
分析結果には、●ということが影響して(原因、要因で)、改善が必要な現状になっている、ということが整理されています。
ので、それを踏まえて、では、●(原因・要因)を減らしたり、取り除いたりすることで、現状を改善しましょう、という考え方です。
分析の段階で、考えられる「原因、要因」というのは、あくまで「原因や要因である可能性」です。かならずしも、断定できるものではありません。
ので、それらを減らしたり、取り除いたりという、関わりを評価しながら、どの原因・要因にアプローチするのが効果的なのか、とか、新たに原因・要因が浮かび上がったり、とか、を繰り返す中で、その都度において、ベストな方法で現状の改善をはかっていきます。
つまり、原因や要因を減らしたり、取り除いたりする、その具体的な内容が、看護計画のうちの「実施する項目」に示すことになる、ということです。
その方の場合、何が原因で、この状態になっているのか、それを分析することで、その方にあった解決策を検討できる、ということです。個別性のある看護になる、ということです。
ただし、中には、看護介入で減らしたり、取り除いたりできない原因・要因もあります。
その場合は、「観察項目」にあげて、治療や処置によって、それらがどう変わっているのか、もしくは変わっていないのか、などの経過を把握します。
それらが、変わらなければ、現状も変わらないかもしれないですし、それらが変わる(減ったり、なくなったりする)ことに伴って、現状は変わるかもしれないですし、それらが減っているのに、現状が変わらなければ、他に何か原因があるかもしれない、と予測できるかもしれません。
現状を引き起こしている原因・要因を探る目的は、何が原因なのかを突き止めること、ではなく、それがわかることで、改善が必要な現状を、どのように改善すれば良いのか、見当をつけるため、です。
原因・要因を突き止める、ここで行き止まりになってしまうと、「これを知ったからって、なに?」という疑問がわくことになるかもしれません。
看護のアセスメントをする上で、分析が必要な理由は、分析結果を看護計画に役立てるため、です。
これを理解していると、裏付けのないケア、個別性のないケアがあがってくることはなくなります。
「思い込みじゃないの?なんで、それをしようとおもったの?」
指導者さんから、立てた計画に対して、こんなふうにコメントをもらったとき、ひょっとすると、分析結果を使えていない看護計画になっているかもしれません。
個別性のある、根拠のある看護計画にするためには、看護計画をたてるときに「アセスメントの内容を見直す」のは、必須です。^^