紙上患者事例の看護過程はスタート前で決まる
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
学校の授業で紙上事例で看護過程の展開をするとき、事例が配られた後、事例を読む前に、するべきことがあります。
迷いに迷うグダグダの看護過程はぜったいに嫌だ!という方は、かならずこれを。
事例を読む前に、『病気のしくみ』を確認しましょう。
病気のしくみを確認するというのは、疾患の勉強ということなんですが、紙上事例が、糖尿病の場合は、糖尿病の勉強を、心不全の場合は、心不全の勉強を、肝硬変の場合は、肝硬変の勉強をしよう、ということ。
ここでいう、疾患の勉強とは、「病気をくわしく知る」ことが目的ではありません。
教科書をがっつり写すことでもありません。
その疾患の患者さんに必要な看護を理解する上で、必要な病態を理解する、ということです。←ここ重要。
例えば、心不全の患者の看護、について解説しているページを読むと、心不全の患者さんの場合、一般的に必要だとされている看護について、ひとつずつ説明されています。
が、これを覚えても意味がない。
心不全の患者さんの場合でも、教科書に載っている「看護」が当てはまらないことがあるからです。
では、覚えるのではなくて、どうすればいいのか、というと、「なぜその看護が必要なのか、理由を理解する」
「なぜ、その看護が必要なのか」その理由を理解するために、病態を理解している必要があるんです。
教科書に載っている「看護」が、受け持ち患者さんに当てはまるかどうか、これを判断するのに「病態理解」つまり、疾患の勉強をしておく必要があるということです。
なぜその看護が必要なのかがわかる=病態理解ができる、という勉強ができることが、なぜ紙上患者さんの事例展開に有利なのか?
- あがってくる可能性の高い看護問題を予測できる
- ので、どんな情報に注目すればいいのかわかる
- 何より、事例を読んでいて、書かれている内容の意味がわかる
何の知識もないまま、事例を読みだしても、何が大事なのかもわからなければ、何を言っているのかもわからないことも少なくありません。
それは、読んでいるというより、むしろ目で文字を追っているだけ。。。
こうして最後まで読み終えたとき、きっと、途方にくれます。
「っで、どうしたらいいわけ?」と。
事例を読むのは、その患者さんに必要な看護は何かを判断するためです。
事例で看護過程を展開するというのは、紙に書かれている情報をもとに、患者さんに必要な看護は何かを判断する、ということです。
読み切ることがゴールではありません。
読みながら、必要な情報を取り上げて、その情報をもとに、患者さんはどんな状態で、だからどんな看護が必要なのかを判断する、ここがゴールです。(実際には、もっと先がありますが)
なのだとしたら、「ただ読む(目で文字を追っている)」だけでは、先に進めません。
準備されたゴールにたどり着くために、紙上患者事例の看護過程は、いきなり事例を読み始めないこと。
疾患がわかったら、まずは疾患都その看護をチェック。
遠回りのようで、間違いなく近道ですから。
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