教科書の丸写しにならない看護計画の立て方〜看護実習記録編〜
教科書の丸写しになってるよ、な指摘を受けるとき、その指摘の意図は、教科書を写しちゃダメだよ、ではありません。受け持ち患者さんならではの内容になっていないよ、というのが指摘が意図していることであるケースが多いです。
では、教科書や参考書にある、看護計画を「参考にして」、受け持ち患者さんならではの看護計画を立てるには、どうしたらいいのか。
1つは、何をするのかの「何」を受け持ち患者さんバージョンに変える。もう1つは、どのようにするのか「方法」を受け持ち患者さんバージョンに変える。
今回は、1つ目について。
教科書や参考書のどの部分を取り入れるのかを検討する
教科書を「参考にした」のに、丸写ししている印象に見えてしまうときに起こっていることというのは、
・受け持ち患者さんに必要ではない内容が含まれている
このあたりが、影響しているんじゃないかな、と思います。
ので、必要な内容を足して、必要でない内容を省く、ことになるわけですが、何を足して何を外すかを考えるときの基準として「原因」を使うといいです。
原因というのは、看護診断でいうところの「関連因子」や「危険因子」です。
看護計画というのは、看護が必要な状態に対して、その状態を改善したり、解消したりするための計画です。
介入は、可能な限り関連因子あるいは原因となっている寄与因子に向ける必要があります。『NANDA-I 定義と分類 2018-2020』より
看護介入というのは、看護を必要とする状態を引き起こしている原因となっているものを、取り除くことで、その状態を改善したり、解消したりしましょう、という考え方です。
例えば、便秘リスク状態という看護診断で、水分摂取が足りないことや、便意を我慢する機会が多いことなどが、便秘を引き起こすんじゃないかと考えるとき、これらの因子を減らしたり、なくしたりする、という方法で、便秘になるかもしれない今の状態を改善するということです。
(便秘リスク状態の場合、水分摂取が足りないことや、便意を我慢することなどを、危険因子と呼びます)
ということは、水分摂取が足りないことや、便意を我慢することで、便秘になるかもしれないという状態にある患者さんには、便秘にならないために、水分摂取の不足を改善する、便意を我慢する習慣を改善する、などをすることになります。
ので、教科書や参考書に載っている中でも、これらのことに関係するものを取り入れることで、患者さんにあった看護計画になるというわけです。
逆に、これらのことに関係のない計画になっている場合、一般的な便秘予防の対策ではあるけれど、受け持ち患者さんにはあっていない看護計画、ということになります。
これが、いわゆる「教科書の丸写し」という印象になるのだろうと思います。
というわけで、教科書や参考書を丸写しではなく、「参考にして」看護計画を立てるときに大事なことは、看護診断(看護問題)を引き起こしている原因、または引き起こす可能性のある因子に対応した内容になっているかを確認すること。