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実習がうまくいく学び方・教え方

03|「看護を学ぶ」「看護を教える」すべての人のための、看護実習お悩みQ&A

教科書を使って看護を学ぶときのよくある勘違い

いつも、ありがとうございます。

ローザン由香里です。

 

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メルマガ読者の看護学生さんから、メッセージをいただきました。

 

解剖生理や病態生理がまったく頭に入ってこず、実習がちゃんとできるのか、看護師になれるのか悩みです。

 

 

 

看護師さんたちが病態生理に強いのは

 

英語や生物、化学などと違って、解剖生理、病態生理の授業で扱う内容というのは、見るのも聞くのも初めてのものが多く、ちんぷんかんぷんなことも多いです。

 

 


まれに、解剖生理、病態生理が大好き♡という学生さんもいますが、一般的には苦手な学生さんが多いです。

 

 


ので、安心してください、というわけではないのですが、そうやって苦手で苦労した学生時代を過ごした人も、立派にナースをやっています。

 

 


での、安心してください、というわけでは、やっぱりないのですが。苦笑

 

 


何が言いたいのか、というと、解剖生理や病態生理は、覚えるものではなくて、理屈を理解して、その理解を使いながら、さらに理解を深めていくもの、です。

 

 

看護師さんたちが、解剖生理や病態生理に強いのは、病態生理に関する知識を、毎日使っているからです。

 

 

 

 

 

解剖生理や病態生理は覚えるものではない

 

 

心臓とは、どこにあって、何グラムの重さで、どんな形をしていて、と言うことを覚えるのではなくて、

どこで、何が、どんなふうに機能しているか、しくみとはたらきを合わせて、理解することが重要です。

 

 


看護学校で、解剖生理、病態生理を学習する理由は、看護をするのに必要だから、です。

 

 


身体のしくみや、はたらきを知ることが目的ではありません。

この病気は、こんな症状が出る、ということを覚えることが目的なのではありません。

 

 


このような状況の時、一般的にはこんな看護が有効だとされている。


なぜ、このような状況の時、一般的には、↑こんな看護が有効なのか、それを理解するのに、解剖生理や病態生理の知識が必要になります。

 

 


もっと言うと、教科書に載っている「看護」も、覚えるものではありません。

 

 


覚えてもいいですが、覚えているだけでは役に立ちません。

 

 


大事なことは、なぜ、教科書に載っている「その看護」が、受け持ち患者さんに必要なのか、必要だと判断したのか、その理由が適切であること、です。

 

 


「受け持ち患者さんは、心不全で、教科書には心不全の場合は、看護Aが必要だ、と書いてあったので、受け持ち患者さんにも看護Aが必要だと判断しました。」

 

 


おかしいですよね。
ダメだし覚悟の発言ですよね。
勇気、ありすぎですよね。

 

 

 

症状別看護の場合も、
疾患別看護の場合も、


一般的に、この症状の場合は、この疾患の場合は、こういう看護が必要です、ということが解説されています。

 

 


が、それは文字の通り「一般的に」であって、すべての患者さんにあてはまるかどうかは、確認しないといけない重要なポイントです。

 

 


その点を確認しないで、それが必要だとか、必要でないと判断するのは、個別性を無視している、ということです。

 

 

 

 

 

個別性のある看護を判断する

 


では、どうやって、受け持ち患者さんにあてはまるかどうかを確認するのか、というと、

 

 


その看護が必要な理由、です。

 

 


右心不全の場合、一般的に、十分な栄養をとる、という看護が必要とされています。

 

 


それは、なぜか、というと、右心不全によって、静脈系がうっ滞することで、消化器系の静脈も影響を受けて、消化器官が適切に機能しないためです。

 

 


ということは、受け持ち患者さんも、↑この状況であれば、十分な栄養をとる、という看護はあてはまる、というわけ。

 

 


右心不全だと診断されていても、現在は静脈のうっ滞にともなう症状はなくて、食欲もあって、十分な食事摂取ができているときは、この看護はあてはまらないはずです。

 

 


が、ここで「受け持ち患者さんも、右心不全なので」という理由だけで、栄養摂取の看護をあげてしまうと、患者さんを把握できていないね、ということになります。

 

 


教科書を使って、看護について学習するとき、もっとも大事なことは、なぜその場合、その看護が必要なのか、その理由を正しく理解すること。

 

 


そのために、解剖生理、病態生理の知識が必要になります。

 

 


解剖生理、病態生理は、それらを覚えることが目的なのではありません。必要な看護は何かを判断するために、必要な基礎知識なのです。

 

 


というわけで、疾患は、看護と合わせて学習すると、効果的です。看護と合わせて、疾患について学習する方法について、3回目の講座で解説しています。受け持ち患者さんに必要な看護に、最短でたどりつく方法を学びたい方は、こちらから↓↓

 

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