看護アセスメントによくあるお悩み〜情報(データ)の羅列〜
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
実習記録に、「●●なので、問題である」という記載をしたときに、「なぜ、問題であると言えるのですか?」のようなコメントをもらったとき、こんなことが起こっていたのかもしれません。
「●●なので、問題である」に対して、
「なぜ、問題であると言えるのですか?」という返事が来ると、ひょっとすると「問題である」と判断した、結論が間違っているんじゃないか、と思う人が多いかもしれません。たしかに、そういう意図の、コメントに見えないこともありません。
もちろん、そういう意図でのコメントの場合もあります。が、今回は違うケースをご紹介。
データ;食事摂取5割
解釈;栄養が足りていない
実際には、このひとつのデータだけで判断することは、少ないかと思いますが、ごちゃごちゃ感を防ぐために、ひとつのデータだけを使いますね。
これを「食事摂取量が5割であるため、栄養が足りていない」とまとめて、「食事摂取量が5割だと、なぜ栄養が足りていない、と言えるのですか?」と確認されたとします。
「なんでって、5割だと少ないからです」と思ったとします。
↑ここなんです。なんで、5割だと少ない、と言えるのか。5割だと少ない、と判断した裏付けがあるはずなんです。
例えば、
・入院直後は、10割摂取できていて、総蛋白、アルブミン共に基準値内だったけれど、最近は5割摂取になっている。入院直後の時期と比べて「減っている」 ので、5割だと少ない。
・入院時の体重が、マイナス3キロ。BMIがやせぎみを示している。体重減少に影響している因子として、食事摂取量が考えられる。(他には、影響因子がなさそう)ので、どうやら5割では足りない。
多くの場合、裏付けの部分を「頭の中で、行ってしまっているため」文章に現れないと思うんですね。
頭の中で、行ってしまえることを、わざわざ言わないといけないんですか?と、思ったあなた。はい、言わないといけないです。^^
なぜなら、「食事摂取量5割」でも「足りている」というケースがありえるからです。
もともと少食な、小柄の方で、入院前と同様の摂取量が、ちょうど病院食の半分。BMIも基準値内で、血液検査の結果も異常なし。咀嚼も、嚥下も、消化機能にも、特に問題はない、というとき、「食事摂取量が5割」であっても、栄養は足りている、といえます。
食事摂取量5割、つまり、受け持ち患者さんは、毎回の食事を5割摂取している、というのは、事実そのものであって、そのこと自体は、良いとか良くないとかいうことを示していません。
食事摂取量5割だと、足りない、少ない。ここでいう「足りない」「少ない」というのが、「解釈」です。食事摂取量が5割、というデータを、あなたがどのように捉えたか(解釈したか)ということ。
この解釈なしで、問題である、とか、問題ではない、と言われても、言われた相手は、「なぜ、そのような結論になったのか」は、わからないわけです。
情報(データ)だけが並んでいて、そこに解釈が含まれていない、というケースによくあるコメントは「情報(データ)の羅列になっている」
心当たりがあるときは、「頭の中で、済ませてしまっている解釈」の内容を、アセスメントに追加するといいです。^^
一見めんどうくさそうに見える、このアセスメントが、看護計画にどう影響するのか、というと、>>>こちらから。
▼無料メルマガ<実習がうまくいく学び方>を配信しています。ご登録は無料です。ご不要になりましたら、解除していただけます。ご登録は、>>>こちらから。
▼おさらい看護過程講座;効率よく看護過程を展開する方法を学ぶオンライン講座
▼看護アセスメントマニュアル;アセスメントの手順を学ぶ動画教材
▼完全個別対応LINE(電話)サポート;なりたいあなたになるために、あなたに必要な課題を、あなたに合った方法でご提案します。