看護実習のアセスメントダメ出しポイント〜浅い〜
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
看護実習でよくある、アセスメントのダメ出しポイントの対処法をご紹介。
今回は、「浅い」
アセスメントが浅い、と言われるとき、「浅さ」には、いろんな意味がありそうですが、よくある「浅さ」は、分析が甘い。
アセスメントの中身は、大きくわけると3つ。
・解釈・判断
・分析
・予測
このうちの、「分析」の内容が十分でないとき、アセスメントが浅い、と言われることが多いです。
分析とは、
あるデータ(情報)について、なぜそのような状態、状況になっているのか、要因・原因を考えることを言います。
栄養・代謝パターンのアセスメントをするとき、
血液検査の結果、総蛋白が5.6g/dl これは基準値より低いんですが、「なぜ、低いのか?」を考えること=分析
ここ2週間で体重が3キロ減っている、というとき、「なぜ、減っているのか?」を考えること=分析
毎食の摂取量が2割、というとき、「なぜ、2割の摂取になっているのか?」を考えること=分析
扱うデータ(情報)に対して、なぜそれを示しているのか、要因・原因を考えることが、アセスメントのうちのひとつ;分析です。
この分析の内容が十分ではないとき、アセスメントが浅い、と表現されることがあります。
では、分析の内容が十分ではないとき、どんなふうにして、十分な内容にするといいのか?というと、チェックしたい点は、5つ。
主疾患との関係
扱うデータ(情報)に対して、なぜそれを示しているのか?
要因・原因として、主疾患が関係していないだろうか?を確認する。
例)栄養・代謝パターンのアセスメントをするとき、
血液検査の結果、総蛋白が5.6g/dl これは基準値より低いんですが、「なぜ、低いのか?」を考えること=分析
ここ2週間で体重が3キロ減っている、というとき、「なぜ、減っているのか?」を考えること=分析
毎食の摂取量が2割、というとき、「なぜ、2割の摂取になっているのか?」を考えること=分析
主疾患が影響して、これらの状態になっているんじゃないか?を確認する、ということ。
主疾患について、その病気は、身体のどこがどうなる病気で、どんな症状が出るのか=病態理解、ができると、それらと、現在の状態を示す情報とを照らし合わせて、関係があるかどうかを確認できます。
治療との関係
扱うデータ(情報)に対して、なぜそれを示しているのか?
要因・原因として、主疾患の治療が関係していないだろうか?を確認する。
例)栄養・代謝パターンのアセスメントをするとき、
血液検査の結果、総蛋白が5.6g/dl これは基準値より低いんですが、「なぜ、低いのか?」を考えること=分析
ここ2週間で体重が3キロ減っている、というとき、「なぜ、減っているのか?」を考えること=分析
毎食の摂取量が2割、というとき、「なぜ、2割の摂取になっているのか?」を考えること=分析
主疾患の治療が影響して、これらの状態になっているんじゃないか?を確認する、ということ。
主疾患の治療として、薬物療法が行われている場合、くすりの副作用と関係がないか、とか、点滴や酸素などのラインに拘束されていることが影響していないかとか、治療(や検査)の影響と現状とを照らし合わせることで、関係を確認できます。
治療については、「持続点滴中の患者の看護」「酸素療法中の患者の看護」など、それぞれの治療や(処置や検査など)の看護を参考にすると、そこに注意事項的に、【この治療をしているときは、特にこの点に注意をしましょう、とか、観察しましょう、とか、これをしましょう】という解説があることが多いです。
治療にまつわる看護、もチェックしておくと良いです。
既往歴との関係
扱うデータ(情報)に対して、なぜそれを示しているのか?
要因・原因として、既往歴にある疾患が関係していないだろうか?を確認する。
例)栄養・代謝パターンのアセスメントをするとき、
血液検査の結果、総蛋白が5.6g/dl これは基準値より低いんですが、「なぜ、低いのか?」を考えること=分析
ここ2週間で体重が3キロ減っている、というとき、「なぜ、減っているのか?」を考えること=分析
毎食の摂取量が2割、というとき、「なぜ、2割の摂取になっているのか?」を考えること=分析
既往歴にある疾患が影響して、これらの状態になっているんじゃないか?を確認する、ということ。
ひとつめの「主疾患」を、「既往歴にある疾患」に置き換えて考えるといいです。
既往歴とは、今回の入院の目的となる治療や検査の対象となる疾患ではなくて、これまでに治療や処置を受ける必要のあった疾患のことを言います。(完治して、現在は治療や処置が不要の場合もありますし、現在も治療や処置を必要としている場合もあります)
今回は、心不全の治療のために入院された患者さんが、高血圧で継続して内服をしている、という場合、高血圧で治療中である、ということは既往歴になります。
既往歴にある疾患について、その病気は、身体のどこがどうなる病気で、どんな症状が出るのか=病態理解、ができると、それらと、現在の状態を示す情報とを照らし合わせて、関係があるかどうかを確認できます。
発達段階の特徴との関係
扱うデータ(情報)に対して、なぜそれを示しているのか?
要因・原因として、発達段階の特徴が関係していないだろうか?を確認する。
例)栄養・代謝パターンのアセスメントをするとき、
血液検査の結果、総蛋白が5.6g/dl これは基準値より低いんですが、「なぜ、低いのか?」を考えること=分析
ここ2週間で体重が3キロ減っている、というとき、「なぜ、減っているのか?」を考えること=分析
毎食の摂取量が2割、というとき、「なぜ、2割の摂取になっているのか?」を考えること=分析
発達段階の特徴が影響して、これらの状態になっているんじゃないか?を確認する、ということ。
発達段階の特徴について、その発達段階の場合、どんな身体的な変化、心理的な変化などが見られるのか、を把握できると、それらと、現在の状態を示す情報とを照らし合わせて、関係があるかどうかを確認できます。
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心理状態
最後は、心理状態による影響について。
扱うデータ(情報)に対して、なぜそれを示しているのか?
要因・原因として、心理状態が関係していないだろうか?を確認する。
例)栄養・代謝パターンのアセスメントをするとき、
血液検査の結果、総蛋白が5.6g/dl これは基準値より低いんですが、「なぜ、低いのか?」を考えること=分析
ここ2週間で体重が3キロ減っている、というとき、「なぜ、減っているのか?」を考えること=分析
毎食の摂取量が2割、というとき、「なぜ、2割の摂取になっているのか?」を考えること=分析
心理状態が影響して、これらの状態になっているんじゃないか?を確認する、ということ。
これらのどれかに当てはまるかもしれないですし、これらのうちの2つ以上のことが当てはまるかもしれません。し、どれも当てはまらないかもしれないですし、どれが当てはまるのか、よくわからない、ということもあるかもしれません。
実際には、現在の状態、状況を生じている原因・要因というのは、ずばりこれ!と断定できないことも多いです。
が、分析をするときに重要なのは、断定できる原因を見つけることではなく、可能性としてどんな原因・要因が考えられるかを把握できることがポイントです。
なぜなら、それらを把握できることで、その状態に対して、どんなケアをすればいいのか、見当がつくからです。
これも、検討をつけたケアが正解である必要はなくて(正解であれば、それに越したことはないんですが)、実施してみる、その結果から、ケアを評価する、評価を元に、次回どうするのかを検討する。これを繰り返すことで、ベターなケアが見つかればおっけー。
大事なことは、最初の段階で、やみくもに「試すケア」を設定するのではなく、あくまで「可能性としての、原因・要因を把握できた上で、では、それらを取り除くケアによって、現状を改善できるかも」と仮説をたてて、ケアを実施することです。
分析は、原因を考えること。
この一言だけ言われても、どうやって原因を見つけるといいのか、を、自分で判断するのはむずかしいですよね。
いろんなアセスメントをする中で、実際に分析をするときに、私自身が何を目安に要因・原因を探しているかな、というのをまとめてみました。
これら以外の分析の視点があるかもしれませんが、ひとまずのとりかかりとして、参考にしていただけたら、と思います。^^
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