NANDA-Iの本を使って実際に看護診断する方法と情報収集の関係
ゴードンの機能的健康パターンの枠組みにそってアセスメントをすると、もれなくずれない看護診断につながります、という話を>>>こちらの記事でお届けしました。
今回は、実際に「もれなくずれない看護診断につながる流れ」を確認してみようと思います。
最初に、看護診断のおさらいを。
看護診断というのは、「看護を必要とする現象(状態)」のことです。
たとえば、医師が診察や検査をした結果「これは、糖尿病です」と診断するのと同じように、看護師は、アセスメントをした結果、看護を必要とする現象に対して「これは、栄養を十分に摂ることができていない状態です」と診断する、という考え方です。
NANDA-I の本で、栄養の領域にある看護診断を見ると、栄養が足りていない状態をさす「栄養摂取消費バランス異常:必要量以下」という看護診断があります。
【栄養摂取消費バランス異常:必要量以下】
定義:栄養摂取が、代謝ニーズを満たすには不十分な状態
診断指標:
体重が理想体重よりも20%以下少ない、食物摂取量が1日あたりの推奨量よりも少ない、食物に興味がない、早期満腹感、咀嚼に使う筋力の低下、嚥下に使う筋力の低下 など
関連因子:
食事摂取量が不十分
これは、どういうことを意味しているのかというと、【定義】の状態にあって、【診断指標】にあがっているような徴候を認めて、かつこの状態になっている原因が【関連因子】が示すことであるとき、この看護診断が当てはまりますよ、ということです。(下の画像は、一例です)
ということは。
ということは、ですね。
ここにあがっている、診断指標や、関連因子にまつわる情報を集めることができれば、この看護診断が当てはまるかどうかを確認できる、ということになります。
っで、ゴードンの機能的健康パターンに戻ります。
【栄養・代謝パターン】のアセスメントをする場合、アセスメントに必要な情報を集めます。
栄養・代謝パターンをアセスメントするのに必要な情報を集めるというのは、主に、必要な栄養・水分を摂ることができているかどうか、必要な栄養をとるための機能に問題はないか、栄養状態が皮膚・粘膜に影響を及ぼしていないか、などを判断するために、必要な情報を集めるということ。
っで、それらの情報というのは、たとえば、食欲の有無とか、食事摂取量とか、身長・体重・BMIなどになるわけです。
ここで、アセスメントに必要な情報と、看護診断を照らしあわせてみましょう。
診断指標や関連因子を確認するための情報になっています。
それぞれのパターンで扱う情報は、こんなふうにして整理されているんです。
なので、このパターンでは、こういう情報を集めるといいですよ、とされている情報を集めると、それらの情報を使ってアセスメントをすることで、そのパターンに対応した看護診断が浮かび上がってくる、というわけなんですね。
看護診断に役立つ情報収集、イメージできてきたでしょうか。
集める情報は、なんとなく決めるのではなく、枠組みに沿って、そのパターンで扱う情報を集めることが大切です。
教科書や参考書では、この考え方にもとづいて、「このパターンでは、この情報を集めましょう」と示しています。慣れないうちは、特に教科書や参考書を使って、集める情報を確認するといいです。
では、本日のやってみよう、へ。