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実習がうまくいく学び方・教え方

03|「看護を学ぶ」「看護を教える」すべての人のための、看護実習お悩みQ&A

「明日から実習記録がなくなります」

いつも、ありがとうございます。

ローザン由香里です。

 

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「明日から、実習記録がなくなります」ということになったら、どんな気分になりますか?

 

 

・やったぁー、ラクになるー

・やったぁー、寝れるー

・やったぁー、荷物が軽くなるー

 

 

 

実習記録にストレスを感じている学生さんは多いので、実習記録がなくなることで、ポジティブな気分になる学生さんは多いかもしれません。

 

 

 

では、指導者さん方は、いかがでしょう。

 

 

 

ちなみに、私。

・やったぁー、ラクになるー

・やったぁー、早く帰れるー

・やったぁー、もっとベッドサイドに行けるー

 

 

 

実習記録は、「学生の頭のなか」を書き出したものです。

 

 

 

直接話さなくとも、実習記録を見ることで、何を観察して、何を感じて、何を考えているのか、を確認することができます。

 

 

 

ただ、実習記録の指導をされた方はわかって頂けると思いますが、記録として現れる、学生の考え、というのは、学生の頭の中のほんの一部です。

 

 

 

なぜ、そう考えたのか。

結局のところ、直接話すことで補う場面もたくさんあります。

 

 

 

看護の正解はひとつではない。

ので、結論が何か、よりも、なぜそう考えたのか、論理的思考を身につけることが重要。

 

 

 

っで、直接話すたびに、思うわけです。

 

 

 

「話した方が、圧倒的に速い」

 

 

 

 

 

信頼関係を生みやすいコミュニケーションとは

 

こちらが確認したいことを、確実に聞ける、ということだけでなく、それに対する学生の反応も確認できますし、その反応をもとに、さらなる働きかけを検討できます。

 

 

 

書く →提出する →読む →コメントする →返却される →読む →考える →悩む →悩む →悩む →書けない

 

 

 

記録を通してのやりとりだと、↑こんな感じになるわけですが、矢印の前後、誰も記録に触れていない時間もあるわけです。

 

 

 

提出してから、先生がチェックするまでの間とか、

返却されてから、学生が実際に手にとってみるまでの間とか。

 

 

 

記録を通してのやりとりだと、2日も3日もかかることが、ほんの10分もあれば、おつりがくることもあります。

 

 

 

記録をチェックしていて、ベッドサイドに行けなければ、患者さんの様子も、患者さんと関わる学生の様子もわかりません。

 

 

 

という状況で、学生が書いた記録の内容が妥当かどうかって、判断できません。

 

 

 

記録上で、あーすればよかった、こーすればよかった、とアドバイスしても、それが本当にその場に合っていたのか、その場面を見ていないと判断できないはずです。

 

 

 

何より、現場を見ないで、文字だけで判断されたアドバイスと、現場にいて、かつ現場を想起させながらのアドバイス、学生はどちらのアドバイスを受け入れやすいでしょうか。

 

 

 

実習記録は、実習した内容を書く記録です。

記録が書けないとき、書き方よりも先に確認することは、実習の内容のはずです。

 

 

 

看護計画を立てた後の、「実施・評価」の記録については、特にそれを感じます。

 

 

 

 

 

SOAPの指導のタイミング、あってますか?

 

看護目標を達成するケアであったかどうか、達成に近づくケアであったかどうかを判断するSOAPでは、

適切なコミュニケーションによる、S情報があり、

必要な観察によって得られた、O情報があって、

初めて、ケアをアセスメントできます。

こうして、適切なアセスメントができるから、ベターなプランが浮かびます。

 

 

 

ということは、妥当なSOAPが書けるかどうかは、必要なS情報、O情報を得ることができているか、が重要になります。

 

 

 

だとすると、できあがったSOAPを見ているだけでは、内容は判断できないということになります。

 

 

 

SOAPは、ただでさえタイムラグがあります。

 

 

 

101日に実施したケアについて、SOAPを書く場合、

提出するのは、102日。つまり、指導者がチェックするのは、102日。

 

 

 

ただ、102日には、101日のSOAPPをもとに、新しく検討したケアをする予定になっています。

 

 

 

102日の実施の前に、101日のSOAPをチェックしている指導者って、どれほどいるでしょう。

 

 

 

これを、実習が終わった後に、まとめてみて、添削するとか、もはや意味がありません。

 

 

 

実習が終わってから、あのときのSOAPでは、こうアセスメントして、次の日にこうするとよかった、とコメントを書いても、とっくに「次の日」は過ぎてしまっているからです。

 

 

 

ちなみに、おさらい看護過程では、↑このタイムラグを防ぐSOAPの準備方法について説明しています。10月の回の受講者さんは、メモ帳の取り方についての資料がありますので、配信メール(112日分)を確認してください。

 

 

 

実際に患者さんとかかわりながら、看護を学べるチャンスは、実習だけです。

 

 

 

実際に患者さんとかかわりながらでないと学べないことを、実習では学ぶべきだと思うのです。

 

 

 

だから、とっとと記録をなくせばいい、という短絡的な話ではありません。

 

 

 

なんのために、その記録を書く必要があるのか。

そして、その目的を学生自身は理解しているのか。

 

 

 

ここを、指導するわたしたちが、もっと明確に把握すべきだと思うのです。

 

 

 

「記録を書く」ことが前提の実習。

になると、提出されたものをチェックする、ことが記録の指導だと勘違いしがち。

 

 

 

記録に限らず、実習指導において、指導に迷う、というとき、判断の基準がない、もしくは曖昧なことが多いです。

 

 

 

自信を持って実習指導をするために、もっとも大事なこと。

・看護過程を展開する目的を理解する

 

なぜ、看護過程を展開するという方法で、看護を学ぶのか、

なぜ、実習という方法で、看護を学ぶのか、

 

 

 

それを理解することで、指導の迷いはなくなります。

 

 

 

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