看護実習に役立つ関連図をいちから学ぶ〜ルールを守る〜
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
矢印の向き(共通)
病態関連図というのは、病気のしくみを図にしたものです。
何がどうなると、何が起こるのか。
どこがどうなると、どんな症状が出るのか。
この因果関係を、矢印で結びます。
矢印の「前」が原因で、矢印の「後」が結果、という関係です。
よくある間違いは、時間の経過(流れ)を矢印で表す。
例)酸素療法中止 → 安静度拡大
酸素療法が中止になったということによって、安静度が拡大するという現象が生じたわけわけではありません。これは、単純に起こったことを時系列に並べています。矢印の前後は、因果関係、という点がポイント。
矢印の前後は、原則として、原因と結果の関係です。
ただし、ひとつ例外があります。
ある事柄に対して、意図的に何かを行うとき、意図的に行う何かから、ある事柄にむかって、矢印をひきます。
代表的なものは、治療や検査です。
浮腫に対して、利尿薬を使う、という場合、浮腫←利尿薬 という図になります。
尿混濁に対して、尿検査を行う、という場合、尿混濁←尿検査、という図になります。
線の種類(学校、施設によって異なるルールの可能性あり)
細かい約束については、学校、施設によって設定が異なりますので、かならず扱っている記録用紙のルールを確認してください。
ここでは、一般的な「線の種類」について、解説します。
よく使われているのは、
・実在している事柄については、実線
・潜在している事柄については、点線
教科書や参考書にのっている、既成の病態関連図は、実在、潜在に関係なく、すべて実線で示されていることがほとんどです。
ので、受け持ち患者さんの関連図にする場合で、このような仕分けのルールを必要とする場合、あてはまる部分を患者さんバージョンに変えていきます。
囲みの種類(学校、施設によって異なるルールの可能性あり)
こちらも、線の種類同様、学校や施設によって、ルールが設定されていますので、かならず確認してください。
例)
・診断されているものは、二重線で囲む、とか
・看護は赤色、とか
・検査、処置は四角で囲む、とか
病態関連図を書くときのルールというのは、単純に、書いている本人の中でも整理ができる、という目的もありますが、もうひとつ読み手と内容を共有する、という点でも重要になります。
病態関連図に限らず、実習の記録用紙というのは、かならず「読み手」がいます。読み手に書き手の意図が伝わらない記録は、記録として成立しません。
書き手が書いた内容が、読み手に正しく伝わる、つまり、両者の解釈のずれをなくす(減らす)ために、ルールがあります。
内容以前に、ルールを守って書くことは大前提です。かならず、学校、施設の書き方(ルール)を確認しておきましょう。