看護実習記録のSOAPが書けないときに確認することその4〜SOAPの準備〜
SOAPの準備というと、いざSOAPを書くときに、なにをそろえるのか、ということをイメージするかもしれません。
はっきり言います。
間違いです。(驚いた?)
いざ、SOAPを書く、というときになって、必要なものをそろえているようでは遅いです。
正確には、いざ、SOAPを書くというときになって、SOAPに必要なものをそろえ始めるって、< できない >んです。
なぜかというと、SOAPには、
・S;今回実施した転倒しないためのケア、に関して、患者さんがおっしゃったこと
・O;今回実施した転倒しないためのケア、に関して、観察したこと(観察や診察などによって確認したこと)
・A;今回実施した転倒しないためのケア、に関して、効果的なケアであったかどうかの評価
・P;今回実施した転倒しないためのケア、に関して、評価をもとに次回はどうするのかという予定
これを書くわけなんですが、SやOって、いざSOAPを書くというときに、思い出そうと思っても思い出せないからです。
これらは、いざSOAPを書くというときには、すでにそろっている状態にしていないといけません。
そろっていない状態で書けないこともありませんが、まず「思い出す」という作業に時間がかかります。そして、がんばって思い出そうとしても、記憶はすでにあいまいで、ぼんやりしています。
特に、観察したこと、というのは、観察していなければ、< 観察したこと自体 >が存在しないわけで。
存在しなければ、SOAPのOは、存在しないわけで。
っで、O情報というのは、観察したことで、覚えていることならなんでもいいわけではなくて。
この2つの視点で、実施した看護計画(ケア)が効果的だったかどうかを判断するための材料としての情報を持っている必要があります。
↑これって、SOAPを書くときに、ひらめくものでも、降りてくるものでもありません。
看護計画(ケア)を実施するときに、これを観察するぞ、と意識して観察して、さらには、それを忘れないうちに、実施した直後にメモに残しておくことが重要です。
↑これ、いざSOAPを書くというときには、できないことです。
SOAPというのは、先にも述べた通り、実施した看護計画(ケア)が効果的だったかどうかを振り返って、次回はどうするといいのかを検討して、より良い方法で、効率よく看護問題を解決していくために書きます。
というSOAP、患者さんの反応なしで、あれはよかった、ここがまずかった、という振り返りは、実施した本人の感想です。
・患者さんがこんなふうにおっしゃったから、
・患者さんの様子がこんなふうに変わったから、変わらなかったから、
・患者さんの身体(やその一部)が、こんなふうに変わったから、変わらなかったから(色や、動きや、状態など)
・バイタルサインや、検査結果、測定値などがこんなふうに変わったから、変わらなかったから など
そんな結果が、SOAPのS情報とO情報で、それらがあって初めて、今回実施した看護計画(ケア)はよかった、よくなかった、といえるわけです。
SOAPが感想文、反省文になるとき、看護計画(ケア)を実施した結果としてのS、O、がないときに、起こりやすいです。
いざ、SOAPを書くぞというときには、必要なS情報も、O情報もそろっている状態にするには、看護計画を実施する< 前 >に、評価のために何を観察する必要があるのか、を確認して、それらを意図的に観察することが重要です。
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