看護過程に役立つ関連図をいちから学ぶ〜分析をするときの5つの視点〜
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
原因の見つけ方
原因とは?
ある物事や状態を引き起こすもとになった事、出来事。Weblio辞書より
説明をわかりやすくするために「原因」という表現を使う事が多いですが、実際には、明らかにそれが原因である、と判断できる事は少ないです。目で見て確認できるものは多くないため、原因として考えられるもの、原因として可能性のあるもの、として捉えて良いです。
という原因をどのように確認すると良いか、というと、視点は4つ。
1、主疾患との関係
2、治療との関係(副作用など)
3、既往歴との関係
4、発達段階の特徴との関係
5、心理状態との関係
例えば、浮腫の原因について調べているとき、浮腫と主疾患の関係、浮腫と治療との関係、浮腫と既往歴との関係、浮腫と発達段階の特徴との関係、を確認してみよう、ということ。
原因として考えられるものは、ひとつではないかもしれません。その場合は、ひとつにしぼることなく、可能性のあるものを「原因として考えられること」として扱うと良いです。
注意したいのは、「可能性」の程度の判断です。
アセスメントの中で「原因を確認する」理由は、それがわかることで、それを減らしたり取り除くことで、状況、状態を改善することができる、つまり状況、状態に適した看護介入を検討するためです。かつ、何について情報を集めれば、状況、状態の変化を判断できるかを把握するためです。
なんでもかんでも、可能性の限りなく低いものまで「原因」として扱うと、観察項目や看護介入があいまいになり、状況、状態改善につながりません。
あくまで、現状を踏まえた上で、原因として可能性のあるもの、を判断することが重要です。
4つの視点で原因が見つからない場合
症状のメカニズムから、原因を確認します。
例えば、浮腫。受け持ち患者さんの疾患、既往歴などとは別に、そもそも浮腫が起こる原因は、どのようなものがあるのかを確認する。
すでに確認できている情報をもとに、それらと浮腫の関係がないかどうかを調べて、そこに関係を見つける事ができなかったわけなので、どうやらそこ以外に原因のヒントがあるかもしれない、と予測できます。
が、それが何かはわかりません。ので、浮腫という症状を頼りに、原因を探っていこうというのが、5つめの原因の見つけ方です。
浮腫が生じるメカニズム、を調べると、何がどうなって、浮腫が生じるのかを確認できます。
おすすめ参考書は、こちら↓。
一般的に浮腫が生じる原因とされていることをヒントに、受け持ち患者さんに当てはまるものを確認します。
原因を探すことに時間をかけすぎることによる落とし穴
まじめな人ほど、原因が見つかるまで、あきらめずに探し続けてしまいがちですが、原因探しに時間をかけすぎるのは要注意です。
理由は、2つ。
1、そもそも原因が解明されていないかもしれない
2、可能性としての原因であり、断定することが難しい
先にも登場した通り、明らかに、あるひとつのことが原因である、と言い切る事ができるシチュエーションは多くありません。複数の考えられる可能性としての原因によって、ある状況、状態、症状が起こっていることが多いです。
また、そもそも原因がわからないというケースもあります。
5つの視点で確認をして、それでも原因を確認できない場合、また判断に自信のない場合は、自信があっても確認のために、実習担当の先生や指導者さんに相談すると良いです。
大事なことは、原因がわかること、ではなく、原因が何かがわかったことで、看護に活かすことができる、ことです。なんのために、その原因を確認する必要があるのか、それを踏まえた上で、相談できることがポイントです。
関連図をかきながら、アセスメントも確認しながら、というのが理想ですが、アセスメントの作業がある程度まとまってから関連図をかくと、関連図をかく中で「原因がわからない」と悩むことは少なくなります。
個別添削付き看護アセスメントマニュアル、くわしくは>>>こちらから。