看護実習に役立つ関連図をいちから学ぶ〜治療・検査〜
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
看護実習で書く「関連図(=看護を含む全体像)には、大きく分けて、3種類の項目が含まれています。
1、病態
2、治療、検査
3、(生活への影響および)看護
今回は、2つめの「検査、治療」について。
イメージで比較してみる
関連図のうちの、1、病態のみを示した場合の図のイメージは、こちら↓。
その一方で、病態に「治療」が加わったものが、こちら↓。
このように、病態と治療、検査との関係を、図に表していきます。
では、方法を確認していきましょう。
治療(処置)、検査を加えるための準備
教科書で、疾患について学習すると、かならず、その疾患の場合、どんな治療が必要とされているのか、どんな検査が行われるのか、について解説があります。
では、教科書で確認できた治療や検査は、関連図のどこに置けばいいのでしょうか? どこでも好きなところに書いて良いわけではありません。正しい位置に書くためには、ある大事な事を確認する必要があります。その大事な事とは?
治療(処置)や検査の目的を確認すること、です。
上の「酸素療法」は、左心不全によって生じた肺うっ血が原因で、呼吸困難が起こっているというとき、呼吸困難による酸素不足を解消するために、酸素を投与する、という意味で、呼吸困難に矢印が向かっています。
つまり、呼吸困難を改善するための治療=酸素療法。
(厳密には、呼吸困難による酸素不足を改善するための治療)
同じように、右心不全の場合、全身の静脈系がうっ血することで、静脈圧が上昇しているとき、末梢に浮腫が生じるため、浮腫の改善目的で利尿薬が投与される、という意味で、浮腫に矢印が向かっています。
つまり、浮腫を改善するための治療=利尿薬。
(厳密には、利尿を図ることで、うっ血が改善された結果、浮腫が減る、なくなるというしくみ)
注意;参考書によっては、症状から→治療、という向きになっていることもあります。
大事なことは、それぞれの治療の目的を確認できていること。
何のためにその治療が行われるのか、がわからなければ、その治療が関連図のどこに位置するのかを確認できません。
何より、治療の目的がわからなければ、その治療に関連した看護ができません。→この話については、別の回でくわしく解説する予定です。
というわけで、関連図の中の、正しい位置に「治療」を加えるために、かならず目的をチェック!
続いて、検査。
基本は、「治療」と同じです。
上の図の、黄色のモコモコの吹き出しが、検査の書き込み例です。
何のために、どんな検査をするのか。
目的に合う事柄のところに、検査を加えます。
医者でもないのに、検査や治療まで把握するのはなぜか?
看護過程を展開するための、疾患の学習では、かならず「病態、治療・検査、看護」をセットにします。
その理由は、患者さんに必要な看護を判断するために、実施するために、病態や、治療・検査を理解している必要があるからです。
心不全とは何で?何のために、どんな検査が行われて、心不全だと、何の目的でどんな治療が行われるのかを理解していないと、教科書に書かれている「心不全の患者の看護」の意味がわからないからです。
「疾患の看護」は覚えるものではありません。
その疾患だと、なぜその看護が必要なのか、その理由を理解していることが重要です。
なぜなら、理由がわからないと、教科書に書かれている看護が、受け持ち患者さんにあてはまるかどうかを判断できないからです。
というわけで、次回は、治療・検査と看護の関係について、確認します。