老年期の特徴を踏まえて看護過程のアセスメントをするとは?〜思い込み、根拠がないとは〜
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
老年季の特徴を踏まえて看護過程のアセスメントをするとは、第3弾です。
老年期の特徴を踏まえて看護過程のアセスメントをするとは〜踏まえるとは〜
老年期の特徴を踏まえて看護過程のアセスメントをするとは〜予測するとは〜
これまで、教科書にある「加齢に伴う変化」にまつわる知識を、アセスメントにどう使うのか、と言うことについてお話ししてきました。
今日は、「加齢に伴う変化」にまつわる知識を、アセスメントに使うときの、注意点について。
教科書でちゃんと調べて、教科書に書いてある内容を使ってアセスメントをしてるのに、そのアセスメントを「思い込みではありませんか?」みたいに言われることがあります。
こんな指摘を受けるとき、何が起こっているのか?
「事実としての情報を使わないで、アセスメントしている」
例えば、加齢に伴う変化として、「運動機能の変化」がありますね。っで、運動機能の低下に伴って、転倒しやすくなる、ということがあります。
この知識を使って、アセスメントをすると、受け持ち患者さんも高齢なので、
【加齢に伴う変化=運動機能の低下、に伴って転倒しやすくなる】
と、言いたくなります。これは、半分正解、半分間違い。
・加齢に伴う変化=運動機能の低下に伴って、転倒しやすくなる →これは正解。
では、どこが間違いなのか、というと、「加齢に伴う変化=運動機能の低下に伴って、転倒しやすい、という状況が、受け持ち患者さんに当てはまる(かどうか)、という内容が含まれていないこと」
カンタンに言い換えると、「高齢者だからというだけで、高齢者の特徴が当てはまると判断してはいけません」ということ。
・手術前なので、不安がある →すべての人が当てはまるわけではありません
・麻痺があるので、転倒しやすい →すべての人が当てはまるわけではありません
・糖尿病なので、感染しやすい →すべての人が当てはまるわけではありません
大事なことは、
加齢に伴う変化が生じると、<なにがどうなって> → 転倒しやすくなるのか? のうちの、<なにがどうなって>の部分。
<なにがどうなって>この部分が、受け持ち患者さんに当てはまる場合、転倒しやすくなる、というアセスメントが当てはまる、というわけです。
加齢に伴う変化によって、転倒しやすくなるメカニズムについて、
<動きの機能変化>として、
・骨の粗鬆症
・関節の変性
・筋力の低下
<運動の機能変化>として、
・刺激反応性の低下
・心肺機能の低下
・認知機能の低下
などが影響して、転倒するリスクが高くなる、とされています。
医歯薬出版株式会社 太田喜久子 編著 老年看護学ー高齢者の健康生活を支える看護ー より
受け持ち患者さんの状態、状況として、先に述べた機能変化のどれかが認められる場合、
例えば、
・実際に姿勢の変化を認める、とか
・つまづきやすい、とか
・反応が遅め、とか
・バランスが悪い、とか
事実として確認できる情報をもとに、<転倒しやすい要因となる、これらのことが起きているため>、受け持ち患者さんは転倒しやすい状態、状況である、と判断できます。
高齢者なので、これが起きる。ではなく、
だと、事実にもとづく判断、といえます。
これが、思い込みではなく、事実に基づいて(根拠のある)アセスメント、です。
アセスメントを書いている自分の中では、この区別ができていて、文章に表現できていなかっただけ、という場合でも、同様の指摘を受けることがあります。
なぜなら、読み手に、あなたの意図が伝わっていないからです。
実習記録というのは、「書く」ものなわけですが、「書く」以上、読み手がいます。読み手に誤解なく、自分の考えを伝えるためには、こんなこともわざわざ書くの?という内容まで伝える必要がある場面もあります。
「こんなことは、わざわざ言わなくて(書かなくても)もわかる」
これは、自分が感じていることであって、相手が同じように感じるかどうかは、わからない。この点をしっかり認識しておくことが重要です。このことは、思い込みな判断をしない、ということにおいても、必要なマインドになります。^^
学生時代に経験することは、看護師になってからも、必要なことばかりです。
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