看護過程に役立つ関連図をいちから学ぶ〜Q看護問題の先に看護問題をあげられない〜
いつも、ありがとうございます。
ローザン由香里です。
看護実習に役立つ関連図をいちから学ぶシリーズ
Q&A 看護問題の先に看護問題をあげられない →この記事
なるほど。「看護問題からさらに先に問題があるはずなのに、看護問題で終わってしまう。看護問題の先に、さらに看護問題を出すにはどうしたらいいか?」ということですね。
大事な事を最初にお伝えすると、看護問題で終わることはあります。
ので、看護問題の先には必ず次の看護問題がある、と認識していると、ないものを探すことになりますので、どれだけ探しても見つからないということが起こります。
まずは、看護問題で終わることもある、ということを知っておいてほしいと思います。
ということを踏まえまして、本題へ。
看護問題のさらに先があるとき、というのは、どんなときなのか?
ご質問者さんが最初に確認してくださった原則どおりです。
ある看護問題の状態、状況が原因・要因となって、別の看護問題が起きているとき、です。
例えば、看護診断を例に挙げるなら、
・心拍出量減少 →活動耐性低下、とか
・栄養摂取消費バランス異常;必要量以下 →褥瘡リスク状態、とか
・非効果的健康管理 →便秘リスク状態、とか
↑ここであげたセットの前者も看護問題ですが、→の後ろにあたる部分も、看護問題になっていることがわかります。
つまり、前者の看護問題が原因・要因で、後者の看護問題が起こる、という関係。
ですが、
栄養摂取消費バランス異常;必要量以下があてはまるので、かならずその次には、褥瘡リスク状態があがるか、というとそうではありません。
受け持ち患者さんが、栄養状態が悪いこと以外に、自力で動くことができないとか、皮膚が傷つきやすい状態になっているとか、やせていて骨突出部分が圧迫されやすいとか、
褥瘡を生じやすい条件がそろっているとき、栄養摂取消費バランス異常;必要量以下、に、褥瘡リスク状態がつながります。
つまり、看護問題の先に、さらに看護問題があるかどうかを判断するためには、それぞれのパターンなり、ニードなり、カテゴリーでアセスメントをして看護問題を出し終えた後、
看護問題どうしの関係を確認する、という作業が必要になる、ということです。
統合のアセスメント
看護問題で終わっている、というのは、言い換えると、アセスメントの途中ということです。
看護問題どうしの関係を確認することを、「統合のアセスメント」と言い換えることができます。
アセスメントをしている最中に、アセスメントの内容について、活動にも関係しているけど、健康知覚・健康管理にも関係のある内容になってるなぁ、のように、2つのパターンをまたぐようなアセスメントの内容になることがあります。
そんなときは、看護問題どうしがつながる可能性があるといえそうです。
というわけで、「看護問題の先に、さらに看護問題があるかどうかを確認するためには、あがってきたすべての看護問題どうしの関係を確認する必要がある」
看護問題どうしの関係を確認するときの注意点
看護問題どうしの関係というのは、決まっているものではありません。
この看護問題が出た場合は、かならずその先に、この看護問題が続く、というルールがあるわけではない、ということです。
Aの看護問題の後に、Bの看護問題が続く場合もあれば、Aの看護問題の後に、Cという看護問題が続くこともあります。また、Aという看護問題で終わる場合もあります。
看護問題どうしの関係があるかどうかを、適切に判断するために大事なことは、それぞれの看護問題を出すための「アセスメントが適切であること」です。
正しい方法で、必要な事柄が含まれるアセスメントになっているとき、看護問題どうしを照らし合わせたとき、そこに関係があるのかどうかを判断できます。
看護問題の、名前だけで関係があるかどうかを判断しないことが、適切な統合のアセスメントをする上で重要です。
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